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棚田の景観、棚田が地域で果たす役割は非常に大きい。その棚田が放棄されれば、このような状態に戻すには膨大な時間と、労力、資金が必要になります。
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今朝(23日)、出張で仙台駅新幹線待合室にいたところ、後ろで待っていた親子がTPPに賛成か、反対かの話をしていました。内容は、兼業農家は勤めるためには企業が輸出を行い、雇用を作り出すことが大切であると。専業農家は困っても仕方がないではないか。との論理を展開していました。なるほど!と思える話でしたが。
これだけではなんともいえませんが、1つは、自分がよければ、他者が困っても関係ないのだとする思考方法が日本社会を良くすることになるかどうかです。自分の身分が保障され、所得が多ければよいのでしょうか。その考え方の反対側には、身分が保障されず、低収入、安定した雇用が保障されない人々に対する思いが欠けているように思います。弱肉強食を絵にかいたような話しです。自分は、恵まれていると感じていた大手企業の労働者が、家電企業のように解雇、退職強要に追い込まれています。他者が受けている差別、処遇は回りまわって、自らにも巡ってくるのだとの認識が必要ではないかと思います。
2つ目は、食糧自給率の問題です。食料は金で海外から輸入すればよしとする論理で本当に良いのか。食料が自給できない国家、社会が普通なのか。自立した国家、社会なのかが議論されることが欠けています。中国侵略、アジア各国を侵略した日本軍の多くは餓死したと言われています。また、食料が供給されないために現地調達と称して、侵略した地域、人民から食料を略奪しなければならなかった。その中で現地の人々を虐殺、暴行した。これが、日本軍が中国、アジア侵略で非難、批判された蛮行です。戦争行為は許せないことですが、自民党が言う国防軍、中国に対抗する自衛隊などといっても、食料の多くはアメリカ、中国、オーストラリアなどから輸入する国家が「えらそうなことを言っても」国民が生きることが出来ない状況でどうやって闘うのでしょうか。
少しばかりの想像力があれば、TPP協定に参加することの矛盾、馬鹿さ加減が理解できると思います。自民党、民主党、維新の会の無知と、無謀、無理解にはあきれるばかりです。また、そのような政治宣伝を受けて、ことの本質なのか分からず、彼らを支援、支持してしまう人々の思考に働きかける必要性を強く感じました。
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