“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

★積極的平和主義の詭弁

2015年02月16日 05時41分32秒 | 臼蔵の呟き

現在の安倍、自民党政権の言動、世論誘導の特徴は、彼らの本音をできる限り、中傷的な言葉で語り、国民から見て、受け入れられやすいスローガンで装飾することです。しかし、政策提示(法案)はその実、言葉、表現とは全く逆に、軍国主義的、排外主義的、復古主義的なものです。

また、選挙で安倍、自民党極右政権が延命する手段として、支持率を高く見せかけるために、選挙前には国民が強く抵抗、拒否するような法案、政策課題を国会審議にはかけない狡猾な戦術をとっています。選挙でも同様で、国民が反対するような政策課題は政権公約には記載せず、中傷的な、文言ばかりを羅列しました。選挙で議席多数を獲得すれば、白紙委任された称して、選挙時には明らかにしなかった軍事色の強い集団的自衛権行使容認、憲法会社の解釈変更、特定秘密保護法、道徳の教科格上げ、戦前教育への回帰、靖国参拝などを連続的に強行しています。

その中でもこの主張で批判する「積極的平和主義」なるものは詭弁、羊頭狗肉という点でも代表的な扇動的スローガンです。このようなことにだまされることなく、彼らの行動と法案の内容から本音を理解し、その彼らの本質を暴き、徹底して批判することが必要です。そして、政治的に少数者に追い込むことこそが日本の未来を切り開くことになるのだと考えます。

<信濃毎日社説>危うさを見えなくする★積極的平和主義

 「武器を売り、原発を復活し、いつでも戦ができるよう準備するのだという。それが愛国的で積極的な平和だとすれば、これを羊頭狗肉(くにく)という」

 アフガニスタンで医療や農業支援活動に携わる非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の中村哲さんの言葉だ。

 先月、ある雑誌の巻頭言で安倍晋三首相が盛んに唱える「積極的平和主義」に疑問を呈した。名前こそ立派だが、中身が全く異なるというのだ。

  【首相の口から突然】

 安倍首相は一昨年秋から公の場で突然、この言葉を使い始めた。同年12月に閣議決定された国家安全保障戦略では「国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく」と記した。

 外交と安全保障の包括的な指針の中に明記されたことで、政権の基本理念となった。

 実際に進めてきたことは何か。

 ▽国民の「知る権利」が狭められる特定秘密保護法の整備▽歴代の政府が慎んできた武器の輸出を幅広く認める新原則の決定▽自衛隊の海外での武力行使に道を開く集団的自衛権の行使容認▽政府開発援助(ODA)を見直し、これまでは対象外だった他国軍支援を一部容認…。

 安倍首相は政権に復帰して2年余りの間に、戦後日本が平和憲法の枠内で辛うじて保ってきた安保政策を次々に転換させている。いずれも積極的平和主義に関連づけられてきた。

 聞こえのいい言葉である。しかし、首相は積極的平和主義をかみくだいて国民に説明しているとはいえない。国際貢献に積極的な姿勢を示す一方で、軍事強化路線が目立つ実態に、この名称がふさわしいのだろうか。

 過激派「イスラム国」による邦人人質事件のように、海外で活動する日本人のリスクが高まる恐れもある。ペシャワール会をはじめ、国際協力に関わる民間団体の疑念はことさら深い。

 「積極的平和」という概念は平和研究から生まれた。第2次大戦後、欧米で研究が盛んになった。戦争の背景を分析し、回避方法や平和構築のあり方を探るもので、平和学として定着した。

 ノルウェーのヨハン・ガルトゥングさんは1959年にオスロ国際平和研究所を設立し、本格的に学問化に取り組んだ。

 概念自体が曖昧な平和について、ガルトゥングさんはコインに表と裏があるように平和にも二つの側面があるとした。積極的平和と消極的平和である。

 大ざっぱにいうと、消極的平和とは戦争のない状態を意味する。積極的平和とは社会に根差す貧困や抑圧、差別など「構造的暴力」がないことだ。両方が達成されてはじめて平和といえると説いた。多くの人が思い浮かべる平和とは消極的平和の方だろう。

 世界各地にネットワークを持つNGO、京都YWCAはガルトゥングさんを招いて勉強会を開いたり、講義の内容を翻訳したりしてきた。有志で積極的平和の担い手になることを目指し、今も活動を続けている。

 職員の堀部碧(みどり)さんは、英国の大学で平和学を学んだ。「積極的平和と、首相の積極的平和主義は全く違う。政策が国民に受け入れられやすくすることを狙っているのではないか」と話した。

 国際政治学が専門で平和学にも詳しい早稲田大名誉教授の山本武彦さんは「日本は武力に頼らない国際貢献をこれまで実践し、評価されてきた。9条をはじめとする今の憲法こそ積極的平和を具現化している」と指摘する。

 安倍首相は先日行った施政方針演説で戦後70年の節目であることを強調した。その上で「本年こそ積極的平和主義の旗を一層高く掲げ、日本が世界から信頼される国となる」と訴えた。同時に平和国家としての歩みはこれからも変わらないと語っている。

  【一つの時代が終わる】

 安倍政権が今国会での成立を目指している安保法制は、自衛隊の活動を質量ともに拡大させる。「国民の生命や財産を守るため」と繰り返す首相の言葉とは逆に、武力衝突の当事者となり、戦死者を出すことにもなりかねない。日本は平和国家の看板を、胸を張って掲げられなくなるのではないか。そんな懸念が募る。

 中村哲さんは、集団的自衛権の行使容認が決定される直前、「人道支援に徹してきた日本の一つの時代が終わる」と危機感をあらわにした。積極的平和主義は政府の強引さをオブラートで包み、本質を見えにくくさせている。あらためて問い直す必要がある。


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