9月は観たい作品がそれほど多くなく、スケジュール的にも映画館に行けない日がまあまああり、鑑賞作品数はぼちぼちでした。
今回のおすすめは2本です。
◎寺井到監督『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 〜ロックと家族の絆〜』(日本)
マニアックすぎない内容でとてもバランスの良い音楽ドキュメンタリー。
シーナと鮎川誠は公私共にパートナーだったので、バンドのことも家族のこともすべて詰まっていました。
あたたかくて素敵な家族。
日本が誇るロックな夫婦だと思いました。
結婚して双子が生まれてから、覚悟を持って子供を両親に預け上京したふたりがすごいです。
上京するようすすめ、後に双子を東京に呼び寄せるまで博多で面倒を見たふたりの両親こそ真のロックなのかもしれません。
多くの人々に影響を与えてきたシーナと鮎川誠は、亡くなっても影響を与え続けるのでしょう。
◎今敏監督『パーフェクトブルー』(日本)
1998年公開のアニメ作品が4Kで蘇り、期間限定で上映されました。
今敏監督の作品は、『東京ゴッドファーザーズ』→『パプリカ』→『千年女優』の順で短期間に(DVDで)観ていて、本作は初見でした。
どれも素晴らしかったので期待大でしたが、予想を大きく上回る完成度の高さに衝撃を受けました。
ここまでスクリーンに釘付けになれる作品にはめったに出会えません。
公開から四半世紀を経て、シネコンの大スクリーンで観られたことに感謝!
素晴らしい体験でした。
基本的に鬱映画だと思うし、一部キャラの作画の不気味さもあったりして、大好きな『パプリカ』は超えられないですが、無駄が1秒もない素晴らしさでした。
物語は境界の描写が絶妙で、夢と現実とドラマの世界が複雑に交錯します。
主人公はアイドルという職業柄、作られたキャピッと感があり、また当時のアニメでよくある元気で前向きな王道女性キャラなので、時々イラッとしますが、それも含めて90年代の世界観を懐かしく思いました。
15禁なのでなかなかハードなシーンもあるし、倫理的に今の時代はアウトなんじゃないかと思われる部分もあったり、時代の流れの速さを痛感しました。
今敏監督が今もご存命だったら、一体どんな作品を作ってくれたのかと思いを馳せました。
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