先の国会で、種苗法改正案が継続審議となり先送りとなった。この法案は国内で開発されたブランド果実などの海外持ち出しを禁ずる法律で、先駆的な地域農家を守るための大事な法改正だと思っていた。
平昌五輪でカーリング女子の代表がモグモグタイムでほおばったイチゴに和んだが、後で「あれは日本の品種ではないか」と話題になった。 果樹王国の山形県は多種多様な果樹が産出される。品種開発も盛んで、さくらんぼは日本一を誇り、新品種「紅王」が開発された。間もなく市場に出回る様になる。「紅王」は粒の大きさが500円玉ほどで、さくらんぼのイメージが変わるほどのインパクトがある。品種登録をして守らないと海外に流出し、モグモグタイムの様な現象が起きてしまう懸念がある。
農家に反対の意見もある。農家が自分の作った作物から自由に自家採取出来ないとなると、種子を買わなければならず死活問題であるとの意見である。分からなくもないが、その種子に海外から手が伸びて安易にわたせば、品種改良した優位性を失うことになる。
種苗法改正法は新品種開発者の権利保護を強化するための改正であって、日本で開発された品種の海外流出事例が相次ぐ事から農水省が乗り出したものである。森山国対委員長は「国内の種苗を国際的にどう守っていくか大切な法案である」とコメントしている。
丁寧な説明が求められている。