Nonsection Radical

撮影と本の空間

みんなニコンサロン大阪へ走れ

2012年12月15日 | Weblog
今日、動画撮影の帰りに大阪駅近くにあるニコンサロンに行ったんだけど、栃木県立栃木工業高等学校写真部写真展「わが故郷とちぎ」を見て感動したね。
既に東京・新宿で5月に開催されたもので、12月になって大阪へ回ってきたのだが、ニコンサロン大阪のたぶん今年一番のすらばしさ(上海風by海上写真家)だろうね。
8x10というA4サイズのフィルムを使うカメラで撮影した地元栃木の街、人なんだけど、生き生きとした表情が写し出された写真はホント”普通の写真”に出来上がっているんだよね。
東京8x10組合連合会の写真展にも先生と生徒が訪れたというから、東京でも知っている人も多いだろうけど、写真展を見た人はいるだろうか?
まだなら、みんなニコンサロン大阪へ走れ!
写真ってこういうもんだよなと改めて教えてくれる。
今ではデジカメで簡単に撮影出来るけど、そういう時代に大版カメラ、それもバイテンカメラで街に、人に向き合って(大版カメラというのは、そういう事に向き合わなければならないカメラなんだ)、最高に素敵な写真を撮っている。
「最高に素敵な」というのは、例えばポートレートの場合、一生の宝物にしたくなるようなというものだ。
カップルで写った高校生は、将来甘酸っぱい想いでその写真を見るだろうし、親子で写った人は時代の移り変わりを噛み締めるかもしれないし、死んでしまった人の最高の表情を何度もそこに見いだし思い出にひたるかもしれない。
市井の人々を撮影するというのは、相手にそういう思いをさせる事を”覚悟”して撮らなければならないし、そういう写真が「最高に素敵な写真」なんだと思う。

撮影にどんなに苦労したかは、撮影者やその大変さを知っているものだけが胸に秘めていればイイのだけれど、その結果「紙」に現われたものが”普通”に写っていれば報われるというものだ。
”普通”に写っているというのは、それぐらいスゴい事なんだから。
もっともその”普通”の写真をよく見ると、”普通”に見えるために、どれだけ細かいところまでも緻密に描写され、豊富なトーンが柔らかな雰囲気を醸し出し、困難な光の条件を克服したものであるかがわかるんだけどね。
また8x10カメラのような大きなカメラを使う事で、ジックリと被写体と向き合い、言葉を交わし、観察し、考える事で景色も人も自然体に変化してくるんだから。

この写真展はそういう写真がずらりと並び、会場を何周も回ってスゴいスゴいと感激してしまった。
会場を訪れた人に若い人が多かったのは今回の特色だろうが、みんなはこの”普通”さの素晴らしさを感じただろうか。
現像も焼き付けも自分たちで行ない、撮影も1000枚!!を超えたという中から選ばれた写真がとびきりの”普通”に見える事が特別嬉しかったんだよね。
12月19日まで開催しているから、まず行ってジックリと鑑賞して欲しいね。
”普通”の写真のスゴさがきっとわかるから。




イーストアベニュー 大阪市東住吉区


伊勢市駅 三重県伊勢市

コメント (2)
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