Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

DIR EN GREY@日本武道館 圧倒的なステージ

今日はDIR EN GREYの武道館ライブに行ってきた。

DIRを見るのはかな~り久々。
それこそ10年ぶり以上ぶり。。。

この10年でディルは本当に大きく進化・成長した。

ディルが活動開始した頃、時はまさにV系ブーム真っ只中。
マリス、シャズナ、ラクリマ、ファナティック、ピエロetc...
多くのバンドが音楽シーンで喝采を浴びる中、
YOSHIKIプロデュースでメジャーシーンに躍り出た。

が、ディルがメジャーで活躍しようとする頃(99年頃)には、
V系ブームが終焉に向かうところだった。
相次ぐ解散、HIDEちゃんの死、メディアでの飽きなど・・・

ディルはこれまでのV系ブームの恩恵にあずかることなく、
茨の道を歩むことになる。ブーム以後の茨だ。
99年~03年頃の5年は「V系暗黒時代」と呼びたい。
(だがその暗黒期にV系は世界へと広まっていった)

特にcage~予感以降は本当に大変だったと思う。
予感まではTV出演があったし、まだ話題性があった。
だが、その後、V系がひとつの差別用語となり、誰もがV系を見放した。
ディル自身もいわゆるV系の枠からでなければならなかった。
そうしなければ、ディルに未来はなかったのだ。

が、逆にブームの終焉と共にディルは独自の進化し続けた。
ダークでへヴィーでグロくて猟奇的・・・
いわば黒服進化系となるNEO VISUAL KEIの礎を作り、
ワールドワイドに広まったV系のパイオニアにまで登りつめた。
(*D'ERLANGER-LUNA SEA-黒夢と続く黒服系メインストリーム、
のちにメリー-ディスパースレイなどが続く)

今や、ディルを「V系」といって揶揄する者はいない。
誰にも真似することのできない無二の世界観を創り上げた。
ワールドワイドのV系のパイオニアは紛れもなく彼らだ。

今回のライブは、まさにそんなディルの最骨頂を感じるライブだった。
ワールドワイドのバンドの貫禄というか、威厳というか。
現代的・退廃的で混沌としていてデカダントな破壊的サウンド。

圧倒的なステージング、難解かつ美しい旋律、メロディー。
狂気の叫びと超高音+超低音デスボイス・・・
静と動の激しいぶつかり合い、重く暗く深い音世界・・・

ディルの唯一無二の狂気のステージングに一万人が酔いしれた。

MCはほぼ一切なし。アンコールに一言二言話したくらいで、
あとはひたすらディルの音世界を表現するだけであった。
これほどまでに客にこびないライブって他にあっただろうか。

SEさえなくて、忽然とステージに現れて、演奏を始める。
スクリーンには退廃的でややグロテスクな映像が映し出される。
G二人はほぼ直立不動で淡々とギターをかきならしている。
B、TOSHIYAの妖しく不思議な動きは本当にミステリアス。
(ステージングはやはりTOSHIYAとShinyaと京が圧倒的)
Dr、Shinyaのヘビーで繊細なドラミングも圧巻であった。

お客さんの層も実に幅広かった。
30代の僕ら世代の年季の入ったファンから、
高校生~大学生っぽい若いファンまで、
さらには外国のディルファンや海外メディアまでもたくさんいた。

年齢も性別も国籍も簡単に凌駕してしまっている。
この10年で実にたくさんのファンを獲得してきたことが窺える。

お世辞にも、楽しくみんなで騒ごうというライブではなかった。
みんなで楽しく乗れそうな歌は一曲もなかった。
(例えばJESSICAとかЯ TO THE COREとか)
現代的な混沌とした楽曲がほとんどだった。

それでも、ファンたちの強烈な叫びとヘドバンは激しかった。
ディルのファンの激しさは昔からすごかったけども・・・(汗)
その激しさがかつてより増しているというのが驚き。

ただライブになると、京の歌がかなり苦しそうに聴こえた。
CD音源とはかなり違うんだな、というのが今回の印象。
でも、それがディルと言えばそれがディルだ。
ファンは歌を聴きにきているのではない。
ディルアングレイという世界に触れに来ているのだ。
なので、ライブというよりはショーという感じさえした。

今や、世界のロックの最先端にいるディルアングレイ。
2010年もきっととんでもないライブを展開していくんだろうな!
前作のアルバムである程度の世界観を確立したようにみえるディル。
また今のディルをぶち壊し、新たな世界観を求めるのか?!

今、まさにディルは最高にいい状態にあるぞ!
ホント今まさに一番のりにのっている日本代表モンスターバンドだ!

PS
今日のライブは新鮮で楽しかった。
(昔の曲は一切なし。ちょっと寂しかったなぁ~)
けど、この年になるとライブを見ていて色々心配になる。
あんなにヘッドバンクして大丈夫なのかな?とか、
だみ声で京京京京京~と叫ぶファンに心配したり、
デスヴォイスを炸裂する京ののどは大丈夫だろうかとか。
見ていてはらはらするというか・・・
でも、だからこそ人をひきつけるんだろうけれど、、、
(スラットの方がファンの激しさは上だけど、
狂乱ぶりというか張り詰めた絶叫が多かったと思う。
スラットのライブじゃ心配にはならないんだな)

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