Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

つけ麵ふさゆたか@八幡宿 「終幕」-僕の人生を変えた「総豊」、最後の夜…

本日、

2016年9月17日、

八幡宿駅前の「つけ麺ふさゆたか」が閉店となります。

***

思い返せば、90年代後半、

僕のお父さんに、「美味しいラーメン店がある」といって、連れてこられたのが、「総豊」でした。

98年頃だったと思います。

この頃は、まだ僕も「大学生」で、お金のない生活をしていて、「食べ歩き」なんてできませんでした。

つまり、まだ、この当時は、「ラーメンフリーク」ではありませんでした。貧乏学生でした。

この頃は、外食と言えば、駅ナカの「お蕎麦屋さん」onlyでした。

当時で、かけそば、180円くらいだったかな、と思います。錦糸町の総武線ホームの蕎麦屋が好きでした。

そんな僕が、初めて通いつめることになったのが、「総豊」でした。

「外のラーメン屋さんのラーメンはこんなに美味しいのか!?」、と。

(1992年頃に、「活力ラーメン」の美味しさに慄きはしましたが、総豊とは別物でした)

そして、初めて、ラーメン店主さんと知り合いになり、初めて、お店に惚れました。

9歳年上の店主の市川さんが大好きで、通っていた部分もあります。

だから、2000年頃までは、いわゆる「リピーター」でした。

(*リピーター=一つのお店に通い詰めるラーメン好きの総称)。

で、、、

この頃、市川さんに、「もっとうち以外のラーメンも食べてみたら?」、と言われ…

総豊より美味しいラーメンはあるのか?」という問いをもって、食べ歩きを細々と開始しました。

…で、今日に至ります。

その後、まさか、自分が「ラーメンの本」を出すとは思ってもみませんでした

総豊~塞翁~ふさゆたかの市川さんは、ラーメンフリークkeiの生みの親なんです。

市川さんの自伝的な文章も、この本に乗せています

壮絶な過去をもち、力士となり、そして、力士を辞め、ラーメン店主になるその歴史を書きました。

僕のラーメンヒストリーにとって、欠かすことのできない人なんです。

そんな彼が、今日、21年にわたるラーメン店主さんとしてのキャリアを終えます。

(教えていただいたIさんとコメントを下さったNonameさん、ありがとうございました!)

***

そんなわけで、、、

ラーメン店主市川さんの最後の日を、見過ごすわけにはいきません。

朝早くから仕事(入試関連)で、ヘロヘロでしたが、頑張っていきました。

八幡宿駅に向かい、そこから歩いて2分程度。。。

あっという間に着きました。

最後の日だというのに、店頭はいつもの感じ。

知らない人なら、ただ通り過ぎるだけ、という感じ。

この券売機も、当初、いろいろと物議を醸しました。

ネットでも、さんざん、「使いづらい」「分かりずらい」と書かれた記憶があります。

けど、企業じゃない、資本金の少ない個人店主さんには、これが「ギリギリ」。

慣れれば、たいしたことないんです。。。

で、、、

最後の夜、何を食べようか…

メニューも、最後とあって、相当絞っていました。

つけ麵もいいけど、最後はやっぱり「らーめん」かな、と。

けど、普通にラーメンを頼むだけじゃ、、、

と、ふと、見上げると、、、

この写真が目に入ってきました。

「これだ…」、と思いました。

「正油チャーシューめん(850円)+味付玉子(100円)」。

これしかない!って思いました。

が、、、

まさかまさかの味付玉子売り切れ…(;;)

僕が「ダイヤモンド」と称して、大好きだった市川さんの味付玉子…

無いのか…

でも、それでもいい。

「正油チャーシューめん」を注文しました。

「同伴」の「相棒Kちゃん」は、「ラーメン」を注文しました。

ジャジャーン!(;;)

こちらが、「ふさゆたか」の「正油チャーシューめん」です!!

およそ18年くらい、愛し続けてきた市川さんの最後のラーメン…。

しばし、見つめました。

最後の一杯か…」、と。

濃厚だけど、くどさのない「豚骨醤油ラーメン」。

くどさはないけど、動物系スープ特有のにおいも感じるワイルドなスープ。

「濃厚さ」と「食べやすさ」と「本来の味わい」を見事に融合させた味。

これが、市川さんのラーメンの「終着点」なんだなぁ、としみじみ思いました。

基本的に、「お腹いっぱいになってもらいたい」という思いが詰まっています。

zoom up!

総豊から塞翁になり、ある意味で、「変身」を遂げました。

その「完成形」が、こちらのスープになるのかな、と思います。

濃厚なのに、あっさり。それを極めた感じのスープです。

総豊の頃よりはかなり濃厚ですが、塞翁よりはあっさりしている、というか…。

根本は変わってない…。

オリジナルの味の豚骨醤油ラーメン。

きっと、それが市川さんの求める「最高の一杯」だったのかな、と。

ラーメンが出された後、、、

「形が崩れているから売り物にしなかったけど、よかったら食べてよ…」

と言って、差し出されたのが、まさかまさかの「ダイヤモンド風味付玉子」でした。

なんと、最後の一つでした。

市川さん、「最後に食べるのが、kei君かー…」、としみじみつぶやいていました。

僕も、とっても嬉しくて嬉しくて、、、

涙が出そうでした。

麺はこんな感じです。

もちろん、自家製麺です。

かつてのことを思い出します。

総豊時代に、「製麺機」を買ったんですよね。

その時、僕に、「遂に製麺機を買ったよ。これでようやく自分で麺が作れる!」って言ってくれました。

その前から既に「人気店」でしたが、自家製麺にすることで、さらに人気が高まりました。

質的にも美味しいですが、量も半端なかったです。

「こんなに麺を提供して、大丈夫なんだろうか?!」って思うくらい、、、

本当に量の多いラーメン・つけ麺でした。

味付玉子です。

日本一、否、世界一美味しい「煮玉子」でした。

美味しい!と言われる味付煮玉子は、どれもこういう煮玉子でした。

僕以外にも、この別料金の味付玉子のファンはいっぱいいました。

千葉では最狂の煮玉子だった、と断言できます。

そして、こちらが、相棒Kちゃんが食べた「らーめん」です。

これで、600円ですからね。時代的に考えれば、とっても安いです。

けど、安いだけじゃない。そこに、「質」もしっかり加わっています。

「個人店」ゆえのオリジナリティーがあります。

味に、「手作り感」が確かに感じられます。

この部分については、本当に卓越していたんだなぁ、と改めて思いました。

総豊~塞翁~ふさゆたか。

市川さんのラーメンに出会わなければ、今の僕はありません。

もちろん、超マニアックなラーメン本×教育学本の『学びの実践学』だってありません。

まぁ、市川さんのラーメンと出会い、体重的にもかなり増え、メリットばかりではありませんでしたが…

けど、僕の人生を大きく変えたことは事実です。

大学生の頃から食べ始め、大学院生時代も市川さんのラーメンに勇気づけられ、、、

そして、そんな僕も今や、40代。

何もかも飽きっぽい僕が、18年くらい、一つのことを追い続けられたのも、このお店があったから。

正直、「なんで、やめちゃうんだよ!!」っていう気持ちもなくはないです。

でも、「しょうがないかな…」、という気持ちもあります。

なんとなく、、、なんとなく、閉店を決めた理由も分かる気もしているんです。

世の中、情熱や気合いだけではどうにもならないことはあります。

また、思い切り燃やしていた情熱が消えてなくなることもあります。

人生って、そう、単純じゃないから…。

だから、市川さんにも、「ありがとうございました」とか「お疲れさまでした」とかは言いませんでしたし、

ここで、そういう「陳腐」な言葉を並べたいとも思いません。

心の声としては、「まったく、もう!!!」って感じですかね。。。(;´・ω・)

けど、、、

僕は信じています。

また、市川さんが、どこかでいきなりラーメン店を再開することを…。

復活は絶望的と言われたあのX JAPANだって、復活したんです。

いつか、市川さんも復活することでしょう。(妄想)

いや、復活しようとしまいと、それよりも、20年以上、千葉でラーメン店を営み続けてきたんです。

それだけが「真実」かな、と。

そして、多くの人に愛されてきたんです。それもまた「真実」です。

***

僕にとっても、「今日」は特別な日になりそうです。

だから、思い切って、ブログの壁紙も変えてみました。

僕も、「新しいDr.kei」として、変化しようかな、と。。。

市川さんを尊敬し、市川さんに憧れた僕としては、、、

彼のように、僕も変わって行こう!、と思います。

Fusayutaka is forever.

Fusayutaka is my everything.

Fusayutaka is my memory.

僕の道はまだまだ続きます。。。

コメント一覧

たか
塞翁時代、うちの職場では大人気のお店だったんですよ。
私も良く通ったんですよね。
あれだけ旨いつけ麺だから場所ややり方次第では大人気になれる筈なんですけどね。
お店も清潔感あって、店主も人柄が良かっただけに残念です。
何処かで復活してたら教えて下さい。
kei
鯵さん

またまたのコメントありがとうございます! おそらく、復活はないかと思います(少なくともしばらくは…)。でも、まだ店主さんはお若い(といっても僕より年上ですが)ので、可能性はなくはないです。

静かに復活を祈りましょう! これからもよろしくお願いいたします!
以前も一度、ふさゆたかについてコメントしました者です。
昨年11月に閉店していたことを知り、そろそろ移転復活していないかなどという淡い期待を寄せながらネットサーフィンしていたらまたこちらのブログにお邪魔しました。
9月には閉まっていたのですね…。
いつかまた、あのつけ麺を食べられる日が来ると祈りつつ、失礼致します。
kei
ラーメン大好きさん

総豊@蘇我時代からご存知だったんですね。本当に残念です(;;)

定点観測者さん

ありがとうございます! 観測者さんは思い入れのあるお店とかないのですか?お好きなお店はありますか??

総豊は特別なお店でした(;;)
定点観測者
うらやましい…
お店、店主さんへの想いがこもった記事、頷きながら拝見いたしました。

一方、このような深い思い入れを持つお店を持つ貴方がうらやましいです…。
ラーメン大好き
残念です。
蘇我のお店に訪問してつけ麺を食べたことがあります。
あの自家製麺美味しいかった閉店は残念ですが、店主さんお元気で
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