日本人はラーメンが大好きだ。もちろん子どもたちもラーメンが大好き。
僕も職業柄、子どもと触れることが少なからずあるが、僕がラーメン好きと分かると、子どもたちはラーメンの話をいっぱい僕に話してくれる。
「僕ね、この前、おとうさんとおかあさんとラーメン屋さんにいったよ。お肉、おおきかったよ。おいしかったよ。ネギがいっぱいだった」(5歳、男の子)
「昨日、ラーメン食べたよ。お母さんが作ってくれた。野菜がいっぱい入っているの。お味噌汁みたいなラーメン。ラーメン、大好き!」(5歳、女の子)
「(keiは)いっつもラーメンやなぁ~ ラーメン、食べ行くか?! じゃぁ、まっとるからな。また、いこな!」(4歳、甥っ子、徳島から℡にて)
「ラーメン、うちも好きです。よく近所のラーメン屋さんにいきます。家族みんなでいきます。餃子が大好きなので、いつも餃子も食べてます」(9歳、女の子)
そんな言葉をよく聞く。子どもたちは(もちろん全員ではないが)、ラーメンが大好きなのだ。小学生になれば、インスタントラーメンやカップラーメンにはまるし、ロマンを感じるようになる。手軽で身近で親しみやすいラーメン♪
そんな子どもの本性(?!)に気付いてか、上記の絵本が出版されていた。その名も、『ぼくがラーメン食べてるとき』(長谷川義史著)。この本は、小学1,2年生対象の絵本で、第54回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれている。
ラーメン好きであり、教育や福祉にかかわる僕としては、なんか無視できない作品というか、なんというか。
内容については、是非ご自身で読んでいただきたい。かなり深い内容になっている。そして、一杯のラーメンから世界認識へと向かわせる絶妙な仕掛けがほどこされている。読み進めて、最後にドキッとしたほど。福祉的な視点も含まれており、タイトルからは想像できないほどにシリアスな内容の作品となっている。
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ラーメンは平和の象徴。そう故武内さんは考えていた。そして、今、僕も改めてそうだと考える。ラーメンを食べて幸福な気分になれることは、まさに平和という抽象的な言葉を具体化したものだと思う。もちろん親御さんが作ってくれたインスタントラーメンでもいい。大好きなラーメンを安心して食べられる今の幸福をしっかりと認識したいところだ。
もちろん一杯のラーメンを作るために、たくさんの犠牲があって、その犠牲の上でなりたっていることも忘れてはならない。でも、その辺はもう少し年齢が上がってからで遅くないかな。いずれにしても、ラーメンを通じて世界認識へと向かわせるこの本は是非子どもに読ませたい素敵な本だ。絵も素敵です。
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ただ最後のオチの部分、風のところは、やや唐突のような感じがする。風ではなく、違う方法で最後の結末にもっていった方がリアルだったように思う。最初のじらしは結構凝ってて好きだなぁ。やっぱ風が気になるな~