今日、僕は15歳の時からずっとずっと友達として付き合ってきた朋友と酒を飲み交わし、語り、そして、カラオケに行き、楽しんだ。(なんてことないんだけど、なんてことあるんだな)
そんな彼とは、もう人生の半分以上の付き合いだ。でも、「こいつと友達でい続けよう」という風に考えたことはない。気付いたら友達になっていて、気付いたらもう16年くらいの付き合いになっていた、ただそれだけだった。この16年間、彼とはそんなにぶつかったこともないし、かといって、意見が常に一致していたわけでもなかった。つまり、それほど激しくお互いに向かい合っているわけではなかった(ゲーテじゃないが、いわゆる「嗚呼、友よ~!」っていうんじゃなかった)
当然、別の人間だから、考え方や感じ方も違う。音楽という趣味での共通点があるが、それほど何かすごいことを語り合っていたわけでもない(もちろんたくさん語ったが、何気なく語ることが多かった。いわゆる友情論だと、語るべくして語るわけだが・・)。僕個人としては、「こいつは無二の親友だ!」といった気概があったわけではなく、何となく、心地よいから付き合ってきたように思う。
・・・で、気付いたら、その男が「朋友」となっていた。
もちろん、今となっては、「ああ、この男がきっと死ぬまで連れそう友人なんだなあ」という確信じみた予感がする。でも、そういう思い(期待)をもって付き合ってきたわけじゃなかった。そこが非常に面白い。恋愛や結婚も同じような感じがする。「こいつと付き合うんだ!」とか、「この人と結婚するんだ!」とかいって恋愛や結婚をする人って実はめちゃめちゃ少数派なんじゃないかな?! なんとなく気付いたらこの人と付き合っていた、なんとなくこの人と結婚していた、そっちの方が自然なんじゃないかな、と。
【結論じみた仮説】
友情の条件は、趣味があうとか、同じグループだったとか、そういうところにあるものではないのではないか? 実は、友情には条件などなく、逆にそういう条件が消え去ったところで、自分の意思や相手の意思とは関係なく、時の流れの中で徐々に作られていくのが友情の条件なのではないのだろうか。友情の条件は、自分や相手の中にあるのではない。自己と相手との間にあり、時の流れの中で発酵していくようなものなのではないだろうか。
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