Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

9日目はシュテルニパルクへ―もう一つの赤ちゃんポストのある幼稚園へ

もう何度もシュテルニパルクにはお邪魔していますが、、、

やはり僕の学生たちには、「赤ちゃんポスト」は必見かな、と。

で、今回も、ヴォルペルトさんにお願いしました。

今回は、シュテルニパルクが設置している三つの赤ちゃんポストのうちで、2000年に二番目に設置された赤ちゃんポストを見学しました。これで、三つ全部を見たことになります。

二つ目の赤ちゃんポストもまた、シュテルニパルクの幼稚園(保育園)の一角に設置されていました。

上の写真がその幼稚園です。

とても幼稚園に見えない幼稚園です。これもまた、シュテルニパルクの一つのこだわりなんですけどね。

幼稚園の入り口に、「Babyklappe」の文字があります。

昨年末に、双子の赤ちゃんがここのBabyklappeに預けられました。

一人は死産でした。もう一人は生きていて、養子縁組に出されたそうです。

赤ちゃんポストは、まさに「命」を扱う場所なんですよね。改めて実感しました。

こちらが、シュテルニパルク第二の赤ちゃんポストです。

昨年の双子の赤ちゃん預け入れの記事の写真と見事に一致します

ヴォルペルトさんによると、死んだ赤ちゃんが預け入れられたケースは初めてとのことでした。

バイエルンで一度、死んだ赤ちゃんが預け入れられたケースがあったようですが(未確定)、シュテルニパルクでは初めてだったそうです。その時、批判はあったかという質問に対しては、「なかった」、と。

ハノーファーでは、一度、かなり批判された事件があったそうです。ハノーファーの赤ちゃんポストの扉が故障していて、赤ちゃんポストの扉の前に、赤ちゃんが置かれたそうです。その後、死亡してしまったそうです。その時は、激しいバッシングが、運営者に対して浴びせられたそうです。が、今回のケースでは、批判はなかったとのことです。

いずれにしても、赤ちゃんポストは今もまだ、誰かにとって必要とされているんです。

こちらが、Klappe(扉)ですね。

ドイツでは、こういう「閉開式の扉」が結構普通に多くあって。

日本では、馴染みのない言葉ですが、ドイツでは日常的というか。

赤ちゃんポストの中です。

かわいい人形が置いてありました。

赤ちゃんを迎え入れる準備はいつでも万全に整えています。

なお、ハノーファーの事件を受けて、全ての赤ちゃんポスト設置者は毎日、赤ちゃんポストの扉がちゃんと開くかどうか、チェックしているそうです。とはいえ、誰かの命令や法で定められているわけではなく、自らそう決めてやっているそうです。日本だったら、国が規制しろ!と、批判するんでしょうね。

ドイツと日本とでは、批判の仕方が根本的に違う、というか。

赤ちゃんポストを視察した後は、幼稚園の中を見学。

この日は、通常の保育が行われていて、シュテルニパルクの教育実践を見ることができました。

しかも、結構長く見ることができました。

こちらの幼稚園には、なんと80%くらいの子どもが外国の子どもらしく、、、

色んな工夫をしているのが分かりました。

ただ、基本的には、「ドイツ語」をしっかり教えていく必要があるらしく、「小学校就学前」の教育に力を入れているようでした。

ちなみに、上の写真は、「工作室」。

ここで、子どもたちは工作をしたり、スケッチしたり、アート的な活動をしているそうです。

こちらは、いわゆる屋根裏部屋的なお部屋。

ここも、一クラスの子どもが生活しているそうです。

ちなみに、0~2歳、3~5歳の二つに区別したうえでの異年齢クラス編成になっているそうです

基本的に、「指導案」はないそうです。「週案」はあります。

カリキュラム等は、「学校ではないので、基本的に必要としていない」、とのこと。

実践中も、みんなで何かをやるということはなく、個々それぞれ、したいことをやっていました。

ただ、テーマがあるようで、この日のテーマは、「自分の家の絵本をもってきて、読む」というものでした。

フレデリックを読んでいる先生がいて、興奮しましたね。

あと、やはり子どもたちは絵本を、自由気ままな姿勢で、思い思いに聞いてました。

ねっころがって物語を聴いている子どもが多かったのが印象的でした。

それが一番ですね。

(でも、日本の幼稚園では、みんな同じ姿勢で、しかも行儀よく物語を聴いています)

ヴォルペルトさんとうちの学生たち。

見学と対談で、4時間くらいかかりましたかね。

毎日、通訳、翻訳の日々で、僕の頭の中はややショート気味でした(汗)

さらに、もう一つ、シュテルニパルクで最も新しい幼稚園に連れていってもらいました。

その途中、こんなポスターが駅に貼られていました。

我が愛するBETONTODのアルバム宣伝のポスター。

自分が大ファンなバンドだけに、すごい嬉しかったなぁ。。。

ヴォルペルトさんは、「知らない」、とのことでした。

こちらが、その新しい幼稚園です。

こちらには赤ちゃんポストはありません。

普通の幼稚園です。

こちらも、やっぱり建物が凄いです。。。

もともとは手工業等を行う作業施設だったそうです。

たしかに、シュテルニパルクの施設でした。

こちらの幼稚園は、とにかく広いです! 

広くて、豪華、というか、荘厳というか、、、

そんな建物の中も、幼稚園として生まれ変わり、こういう感じになっていました。

こちらは、運動する大きなお部屋。

園長先生(男性)はかなり熱血な方で、話が止まりませんでした、、、、汗

けど、一生懸命に、僕らに幼稚園教育の内容について語ってくれました。

とにかく、「子どもが自ら自分の意見を言うことを徹底的に大切にせよ」、と。

強い自己・自己表明を徹底的に教育する、という姿勢が見て取れました。

また、やはり異国の子どもが多い幼稚園で、色んな国の子どもがいました。

先生もまた多様で、一人、気さくなおばちゃん先生がいたのですが、アフガニスタン出身の先生でした。

あと、トルコ出身の先生がいたんですが、すっごい美人で、たまげました(3人の子どもがいて、一番上の子は大学生!)。


シュテルニパルクを後にして、街に戻ったのが実に15時。

ハンブルクの市庁舎前にやってきました。

僕的には9月以来…、なので、久しぶりというには微妙な、、、

考えたら、千葉と東京以外だと、今一番来ているのはハンブルクかも?!汗

埼玉も神奈川も茨城も、すっかりご無沙汰。。。

それくらい、ハンブルクには今、愛着があります。

学生たちも、いっぱい学んだようで、変になっています(苦笑)。

一人、頭がなくなってしまった学生もいます(笑)

***

ここで、僕らバンドマン系グループと、そうでない系のグループに分かれて、、、

われわれは、JUST MUSICに向かいました。

ハンブルクのJUST MUSICは、実にデカいです!!

ここで僕は超カッコいいドラムスティックを二種ゲットしました。

で、本来なら、スタジオを探して、バンド練習(?)をする予定だったのですが、、、

いや、一応、スタジオの店員さんに聞いて、スタジオの場所までは突き止めたんです。

が、、、

これが、またすごいリスキーな場所にあって、、、

スタジオが恐らく入っているであろう建物まで来たのですが、、、

この建物が実に怪しくて、、、

7階建てくらいの建物なのですが、窓が一つもないんです、、、

この建物の中がいったいどうなっているのか、、、

しかも、入り口の扉はあるのですが、カギがかかっていて、開かない。

わずかに、バンド演奏をしているような音は聞こえますが、定かではない。

もちろん看板も表札もロゴもなにもない。

こんな恐ろしいスタジオは見たことがない!!!

それでも、裏まで回って、探したんですけど、ダメでした。

というわけで、今回はスタジオ断念、、、、

もっと時間があればよかったのですが、、、、

やはり下調べをしないで、スタジオを探すのは難しいですね、、、

というわけで、僕が大好きなドイツのシュークリームをやけ食い、、、

 

そんな9日目でした。

コメント一覧

kei
Kimuraさん

またまたのコメントありがとうございます!

Kimuraさんは只者ではありませんね?(汗) あのEinstürzende Neubautenとご友好関係にあられるとは、、、ドイツにご在住なのですか?

たしかに防空壕ほど、スタジオとして最適な場所はないかもしれませんね。ただ、看板も表札も何もなかったので、ビビッてました(苦笑)

1年のZivildienstですね。僕も、もっと若い人には海外の経験をもってもらいたいと願っています(そういうわけで、無理してドイツに学生を連れて行っています)

Kimuraさんのおススメの(あるいは好きだった)ラーメン店も教えていただけると嬉しいです。
Yuji Kimura
練習スタジオ
以前バンドをやってましたので、、今でも判る事があります。昔はノイバウテンなどが友達でした。その頃はベルリン・テンペルホフ空港の地下が練習スタジオでした。誠に古い話で申し訳ありませんが。

防空壕は壊すのが非常に大変(頑丈ですから)なので、他用途で使われている事があります。ベルリンにもアートギャラリーになっている防空壕があります。

日本には兵役がない事は素晴らしいと思うのですが、その代わり?に18歳になったら日本人は皆1年間以上海外で生活する事、なんてのがあったら良いだろうなと思っています。

実は千葉市出身なので、ラーメン記事大変興味深く読ませて頂いてます。
kei
Yuji Kimuraさん

コメントありがとうございました。それにしても、驚きました。どうしてこの画像で、スタジオの場所について分かったのですか? まさに、そのスタジオでした。行かれたことがあるのですか?? もう、驚き過ぎて、倒れるかと思いました。

防空壕建築だったのですね!! しかし、それにしても、すごい雰囲気の場所でした。

お褒め(?)のお言葉、心より嬉しく思います。若い人には本当に期待しています。そして、それ以上に、われわれ大人がしっかりしないといけないなぁ、と強く思っております。ドイツの大人たちは、本当に「大人」といいますか、しっかり地に足をつけて、人生を生きているなぁ、と再認しています。大人が人生を楽しんでいる、といいますか。

日本の大人ももっと、自由に、楽しく、寛容に、そしておおらかに生きていってほしい、と願っております。
Yuji Kimura
練習スタジオ
これは戦中の防空壕建築です。怖い?場所ではありません。
http://www.musikbunker-hamburg.de/
前回少々茶化したようなコメントを書きましたが、若い人に対する期待、大きな敬意を表します。僕は年寄りには勿論、若い人にも余り期待をしていないので、Dr.Keiの真摯な言葉に衝撃を受けました。ではお元気で佳いドイツの旅をお続け下さい。
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