そういえば、まだ9月ですね。
…ということは、この一カ月で4度の訪問ということになりますね…(汗)
彗星の如くに都賀の地に現われ、ラーメン界に衝撃を与えた新店も、
もうすぐで創業1カ月☆
開店当初のあわただしさもなくなり、落ち着いてきた感じがしますね。
このお店は、おそらくここからが本当の勝負となるでしょうし、
また、いよいよ「どーち」のどーちらしさが輝きだすと僕は信じています。
メニューは、まぁ、当然ですが、変わらず。
シンプルに、しょう油味と塩味の二種のみ。
今回は、鶏麺塩をいただきました☆
実は、自分が塩を注文するのは初めて。
今日は、どーちの鶏麺塩をじっくり堪能するのが目的でもありました。
スープを飲んで、スープの≪激変≫にまず驚きました。
開店当初のスープに比べて、かなりあっさりとした「Soup」らしいスープになっていました。
見た目は、変わらず「やや重厚そう」な感じですが、全然こってりしていません。
それに、ちょっと鼻につく「酸味」がなくなっていました。
店主さんも酸味が気になっていたようで、苦悩して考え抜いたようです。
その結果、スープに入っているある食材が酸味を引き起こしていることを発見。
その食材を一切、スープに入れるのを止めたそうです。
そのある食材、というのが、また実はもろ刃の剣でして。
その食材を抜いたがゆえに、スープがかなりあっさりになってしまったのです。
僕は「あってり」という表現をしましたが、「あってり」という言葉が合わないほどに。
しかし、事態はさらに複雑で、だからといって「あっさりスープ」になっているわけでもないんです。
(悪い意味じゃないですよ。より「分かりにくい味のラーメン」になったというだけです。
全体的には、味の方向性が、「洋風あっさり野菜鶏ラーメン」という感じになってきましたかね。
洋風っていうと、なんか違うんですけどね、、、でも、和や中華じゃなくて、洋かな、と。
かつてベジポタという言葉が流行った点からいえば、「あっさりベジラーメン」、か。
あと、塩ラーメンですが、しょっぱさは最低限度に抑えられています。
無添加で、塩分控えめな塩ラーメン、不思議と言えば不思議。
ただ、塩分については、卓上に厨房と同じ塩が置いてあるので、
そちらを後で加えれば、自分好みの味の塩ラーメンができる仕掛けになっています。
(そういう意味では、「無添加ヘルシーなあっさりベジ塩ラーメン」と言えるかな?!)
実に面白く、独自に進化・発展している気がしますね。
もう、すべてが「未体験ゾーン」といいますか。
そして、麺にも若干の改良が加えられています。
沖縄そばのような食感だったのですが、それがやや歯ごたえ重視の食感に変わっています。
僕はもともとここの麺がお気に入りだったので、この変化自体に気づかなかったのですが、
スープの改良と共に、麺の改良も水面下で行っているみたいです。
ま、もっとも、まだ開店1カ月であり、まだまだ変わっていくと思いますが、、、
そういうお店なんですよ。この「どーち」というお店は。
僕は、最初、ここのラーメンを食べた時、何か直感するものがありました。
従来の枠に囚われない自由な発想があり、なんだか分からない期待感がありました。
色んなブログや記事を読むと、皆、味の評価ができずに苦しんでいるようでした。
どーちのラーメンは、美味しい/不味いの評価を超えたユニークさがありました。
それは、ある種弱点でもあるのですが、逆にいえば「未完成のキャンパス」みたいなもので、
「己のラーメンの探究の始まり」に過ぎなかったんだと思います。
僕がこのどーちを過剰に評価したのもその点にありました。
単純に面白いんです。未完成で荒削り。でも、その中に「新しいもの」があり、
そして、独自のスタンスを貫こうとする店主さんの若さと挑戦欲。
「他にないラーメンを作るんだ!」という強い主張が感じられたのです。
今、まさに、それを再び感じることができました。
「自らの頭で考え、自らの学びを通じて深めていき、自分をrepresentする一杯を目指す」
最近の新店に欠けているものが、ここにあったんです。
自分が教育学者でありラーメンフリークであることの意味も、ここで再発見できました。
教師・教育者たちの決定的な欠点もここにあるんですよね。
自分の頭で考え、他の人間と同じことをするのではなく、自分ならではの授業を自ら探究する、
そういう姿勢が(内部・外部的に)根こそぎ破壊されているのが、今の現状なんじゃないかな、と。
研修やら、公開授業とかって、本当に自らの頭で考える実践者作りになっているのか?、と。
子どもたちに「自ら学べ」と言っておきながら、教師はどれだけ学んでいるのか?
(他人の実践のモノマネをやることは学びでもなんでもない…はず)
ますますコピーする技術や方法が豊かになり、既存の味を盗むことが容易になった。
そのおかげで、その代償として、オリジナルを創造する力が極端に落ちている。
どこもかしこも、どこかで食べたような味でしかなく、パターン化に陥っている。
マネの延長線上には、マネのマネしかないんです。オリジナルには行きつかない。
巧みなマネ(コピー)がオリジナルに直結しないなら、最初からマネない方がいい。
オリジナルな味を求める旅を、客たちと共に歩めばいい。
客も、またオリジナルの味を求めるパートナーになればいい。
でも、基本、一匹狼。 そんな姿勢に強い共感を覚えるんです。
ま、とはいえ、まだこの鶏麺塩も、全然完成形ではないと僕は思っています。
もっともっと美味しいラーメンになるはずだし、そうしていかなければならないんですね。
でも、それは外野がとやかくいうことじゃなくて、本人が自ら悩み抜いて生みだしていくこと。
ホント、こういうお店が(近所に)登場してくれて、僕は嬉しく思います。
***
と、熱く語りましたが、店主さん、この冬にかけて、さらに新たな挑戦を試みようとしているようです。
某店主さんの言葉で言えば、「悪だくみ」?! 今から楽しみです。
プランはかなり大胆ですが、これもまた野心と希望と理想に燃えていますね。
店主さんは最後に、二コリと笑って、「ラーメン屋さんって面白いんですね」と語ってくれました。
そういう感性が好きなんですよね。
…そういえば、この言葉、大地のご主人からも聞いたような…
なんか、どーちと大地って被るんだよなー。どうしてだろう?!