某ミニ講演のレジュメです。
メモ程度に。
明日、話します。
●みなさんは、自分の親が誰か、知っていますか?
●その親が自分の本当の親だということを、確かめましたか?
●変な質問ですね。今日のお話は、「親を知らない子どもたち」、というテーマです。これは、「児童福祉」、「社会的養護」という分野の問題群の一つです。
●この世の中には、自分の親が誰か分からない子どもたちがいます。
●どんな子どもだと思いますか?
●このことを考えてみたいと思います。
●みなさんは、「代理出産」という言葉を聴いたことがありますか?
●2012年に、「聖なる怪物たち」というドラマで、このテーマが扱われました。(8回で終了)
●この代理出産は、「不妊」の問題とかかわっています。
●子どもが欲しくても、なかなか、子どもができない。そういう時に、「不妊治療」を受けることになります。
●厚生労働省によれば、不妊治療患者数は、全国で約46万人いる、と言われています。
●この不妊治療の中に、「第三者の精子」を使う「AID(非配偶者間人工授精)」という不妊治療があります。
●この方法で産まれてきた子どもたちは、自分の「(遺伝上の)父親」が誰かが分からないのです。
●自分の父親が誰か分からないで、生きていくということ。それはいったいどのようなことなのでしょうか?
●僕らは、普段、当たり前のように、「親」を知っています。けれど、親が誰かを知りたくても知れない子どももいるのです。
●また、子どもが幼い頃に両親が離婚してしまった子どもや、そもそも父親のいないシングルマザーの子どももいます。
●すべて、とはいいませんが、その多くの子どもが、いない親のことを知りたくても、知ることができません。育ての親に聴いても、教えてくれないケースも多々あります。「死んだ」、と言って、ずっと親の一方を知らないままに、大人になる人も多数います。
●この問題は、僕が研究対象にしている『赤ちゃんポストに預け入れられた赤ちゃん』にも通じます。
●赤ちゃんポストに預け入れられた赤ちゃんは、(親が後に名乗り出ない限り)自分の実父母の名前も顔も情報も知ることができません。
●のちに、その赤ちゃんが大きくなった時に、「あなたは、赤ちゃんポストに預け入れらたのよ。赤ちゃんポストがなければ、死んでいたかもしれない。あなたのお父さんとお母さんの名前は分からないの」、と言って、その子は納得してくれるでしょうか?!
●けれど、本当に、赤ちゃんポストがなければ、死んでいたかもしれません。そういう赤ちゃんは、決して多くはないですが、常にいます。先日も、愛媛県で5人の新生児を殺害した母親(34歳)が逮捕されました。
●殺されるくらいなら、親の出自が分からなくとも、生きているほうがまだ「マシ」かもしれません。
●けれど、それは僕らには分かりません。なぜなら、僕らは自分の親が誰か、既に知っているからです。
●自分の産みの親が誰か分からない、という辛さについて、少しだけ、考えてもらえれば幸いです。
●みなさんは、きっと「子ども」が好きな人たちだと思います。子どもを「かわいい」と思う人も多いでしょう。
●けれど、当の子どもたちは、実に様々な事情を抱えています。子どもの数だけ、色々な背景があります。
●「好きだ」、「かわいい」という気持ちは素敵なことですが、今一度、たちどまって、「この子どもは、どんな子どもなのだろう? 何か人に言えない辛さや悲しさや苦しさを抱えていないだろうか。その笑顔の裏に、どんな背景があるのだろう?」、と考えてみてください。
●「ぼく/わたしのほんとうのパパとママはどこにいるの?」、と聞かれた時に、みなさんは、どう答えますか?!
ちょっと内容的に難しいかなぁ、と思うけど、、、
これまであまり外で話したことのないテーマだけに、チャレンジしてみたいと思いました。
対象は高校生。
伝わるかなぁ、、、(やや心配)