うちの専任校は、教員・保育士養成校になっていて、
学生たちは「必修科目」でいっぱいいっぱい。
もはやシラバスさえ一度も目を通さない学生の方が主流。
一般教養さえも「必修のみ」で、
学生たちは「必修科目」=「カリキュラムの全容」と思っている。
(この時点で既に終わっているのだが、
それに厚生労働省や文部科学省は分かっているのだろうか)
だいたい「選択科目」が楽しくて面白いのに、
うちの学生たちは「選択科目」の存在さえ知らない・・・(汗)
毎年、ある講義で、マニアックな選択科目を受け持っているが、
これが(最初の年をのぞいて)本当に人が集まらない。
その講義は基本的には「教育の歴史」に関する科目なのだが、
最初の講義ですら、人が集まらない。
(知られていないのか、見向きもされないのか、分からないが)
それでも、毎年必ずマニアックな、いや、
勤勉な学生が数人集まってくれる。
(本当に数人なのだ!)
今年の勤勉な学生の一人が上の彼女。
今年も(不幸か幸か)人数がとても少なかったので、
今年はみんなに興味のあることを自由に発表してもらうことにした。
で、上の彼女が選んだのが「聖書と教育」というテーマだった。
どうしてこのテーマを選んだの?と聴くと、
彼女はこう答えた。
「高校の副担任の先生が、私に、
『先生になるんだったら、聖書は読んでおいてほしい』
と言ってくれたんです。
その意味が分からなくて、どうして教育が聖書と関係するのか、
ずっと気になっていたんです」
そこで、彼女はこの機会に自分なりに聖書を読んで、
教育との関連を探った、というわけだ。
マニアックな講義(演習・ゼミよりも極めて少ない授業)ゆえに、
かなりマニアックな発表となった。
が、聖書、というよりはキリスト教が教育システムの創設に
大きな役割を果たした、という意味ではかなり王道のテーマでもある。
マニアックだが、本来とても重要なテーマなのであった。
90分の講義だが、120分を超える議論となった。
だから、僕はこの講義が一番好き。
一番ディープに議論できるし、
また、一番学生たちの学びを感じることができる。
楽しいひとときだった☆