Caldara in Vienna: Forgotten Castrato Arias | |
Philippe Jaroussky | |
Virgin Classics |
新年最初のクラシックCDレビューは、昨年末に購入したフィリップ・ジャルスキーの新譜『カルダーラ・イン・ウィーン~オペラ・アリア集』となります!前回リリースしたJ・C・バッハのオペラ・アリア集も出色でしたが、こちらのカルダーラのオペラ・アリア集も忘れ去られた作曲家に注目するシリーズに注力するジャルスキーの並々ならぬ意欲が感じられる名盤といってもいいでしょう。女声のような美しいカウンターテノールの声に惚れ惚れしちゃいますが、バックアップするエマニュエル・アイム&コンチェルト・ケルンもしっかりサポート。☆☆☆☆☆差し上げても問題ない定盤となりそうですね。
昨年は『レコード芸術』特選盤に選ばれたチェチーリア・バルトリの『神へのささげもの~カストラートのためのアリア集』にも、カルダーラ、ポルポラなどバロック期の作品に光を当てておりますが、個人的にはバルトリのやや低い声質よりも、ジャルスキーの透明な声質に軍配をあげちゃいます!
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ジャルスキーの再発見プロジェクトは続く!バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディの同時代人メタスタジオとゼーノのリブレットに初めて作曲したカルダーラの男性高音用のアリア集。
「手稿に直接触れるのは歴史に触れるようなもの。私にとって大事なのは自分でリサーチして、素材と直接に触れ合うこと」と語り、忘れ去られた作品に再び光を当てることに執心するジャルスキーの新録音が届きました。
ヴァージンへの8作目のソロ作品で、アイムとは2度目の共演でとり上げたのはヴェニス生まれで、マントヴァ、バルセロナ、ローマ、最後にはウィーンでキャリアを残したカルダーラ。すべてメタスタジオ(1698-1782)のリブレットによるオペラからのアリアで、『皇帝ティートの慈悲』はモーツァルト作品の初演(1791)より60年前に演奏され、1733年に初演された『デモフォーンテ』は、グルック、パイジェッロ、ピッチーニ、グラウン、ケルビーニなど70作以上の舞台作品にインスピレーションを与えた作品と言われています。
アントニオ・カルダーラ(1670?~1736)作曲
『オリンピアーデ』~Lo seguitai felice
『デモフォーンテ』~Misero pargoletto
『皇帝ティートの慈悲』~Numi assistenza…Opprimete I contumaci
『オリンピアーデ』~Mentre dormi Amor fomenti
『テミストークレ』~Non tremar vassallo indegno
『皇帝ティートの慈悲』~Se mai senti spirarti sul volto
『Scipione nelle Spagne』~O mi rendi il bel ch'io spero
『オーリードのイフィゲニア』~Tutto fa nocchiero esperto
『シリアのアドリアーノ』~Tutti nemici e rei
『Lucio Papirio dittatore』~Son io Fabio…Troppo e insoffribille fiero martir
『テミストークレ』~Contrasto assai piu degno
『エノーネ』~Vado o sposa
『シーロのアキッレ』~Se un core annodi
フィリップ・ジャルスキー(カウンター・テナー)、エマニュエル・アイム指揮、コンチェルト・ケルン
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Sacrificium | |
Cecilia Bartoli,Il Giardino Armonico,Antonini | |
Decca |