先日、某動画サイトにて、平和の懐かしき新要件ハネモノ「花の係長」の動画がアップされていた。
久々に、あの心地よい大当りサウンドを聴くことが出来た。平和独特の高音BGMは、小学生の頃に吹いた「リコーダー」の音を彷彿とさせる。アップ主の方には、貴重な動画の提供に感謝したい。
ヤクモノに、ありきたりな動物キャラや乗り物などではなく、「係長」を据えるセンスが素晴らしい。まぁ、園山俊二の同名漫画があるので、そちらをモチーフにした感はあるが…。
大当り中は、主人公である係長の手前にストッパーが現れて、玉を貯留する。ヤクモノ5カウントで貯留は解除されるが、貯留玉があれば継続率はかなり高めだ。
ただ、賞球がオール10で貯留解除も早い為、15R完走時の出玉は600個程度と少ない。当時、本機を打っていた時の出玉感覚やスピード感は、同社の「ジェットスピナー」などに近かった。小銭で遊べるハネモノとして、投資金に不安のある時には特に重宝した。
さて、一つ気になったのは、この「花の係長」の登場時期を、正確に紹介するサイトがない事だ。
登場年度の後ろに自信なさげに「?」を付けたり、時期が異なる台とゴッチャに並べて紹介したり、といった具合である。
同じ平和の「ブンブン丸」と同時期とのコメントもあったが、これも厳密には不正確である。
(平和「ブンブン丸」、1991年)
「花の係長」が登場したのは、1992年(平成4年)の9月である。対して、「ブンブン丸」は1991年(平成3年)2月の登場で、時期的には1年半以上の開きがある。流石に、これを「同時期」とはいえないだろう。
まぁ、決してメジャーな機種ではなかったので、詳細な情報が少ないのも已む無しであろう。
因みに、「係長」と同時期に出たハネモノに、三共の「OL娘」(1992年9月登場)がある。
やはり「会社モノ」という事で話題となったが、役物のOLキャラ「ミンミン」以上に注目されたのが、イメージキャラクターのアイドルグループ「HI-ME」であろう。
新台導入の直前(92年8月5日)には、湘南・江の島の海岸で「がんばれ女の子パチンコ大会」なる女性限定イベントが開催された。「OL娘」の実機お披露目や、彼女たちが歌うテーマソング「娘ミンミン」の発表などが行われた。
その他、花の係長と登場時期が同じハネモノを挙げると…
「ラブモーション」(西陣)、「熱血ジュードー部」(西陣)、「ビーバーダム」(ニューギン)、「ビックリハウス&2」(奥村)、「スターファイアー1」(三共)、「カバまる1」(三共)、「ロックンロール」(大一)、「ビッグシューター8」(平和)、「ニュービッグシューター」(平和)、「キッドボックス」(平和)など。
いずれも、1992年9月~10月にかけて登場した新要件ハネモノである。時系列データを整理する際など、ぜひ参考にして頂きたい。