1991年(平成3年)に三洋から登場した現金機デジパチ「ハロウィン」
★大当り確率:1/205、出玉2300発(賞球7&15)
⇒以前アップしたハロウィンの記事は、ブログ開始初期の手抜き記事で、内容がかなりポンコツだった(記載ミスをコメントで指摘される始末…)。なので、あらためてアップし直した次第。
無制限仕様の「ハロウィンII」…大当り確率1/228、出玉2000個(賞球6&13)
(古い記事では「体感器攻略の対策機」などと書いたが、大きな勘違い(汗)。コチラもハロウィン同様、体感器攻略を受けた。)
(三洋といえば「パニック」。三共は「フィーバー」、平和は「ブラボー」、ニューギンは「エキサイト」など、当時はメーカー毎に冠名が存在した。)
(ハロウィンだけに、デモ画面には怪しいカボチャが登場する。)
(カボチャは大当り絵柄でもある。図柄は0~9の数字の他、イチゴ、花、カボチャ、キャンディ、キノコの計15種類。左右テンパイでリーチになると、中デジタルの絵柄が拡大して、ピコピコ音の可愛いBGMと共に縦スクロールする。シンプルな動きだが、実にいい味を出していた。止まる時は、再始動もなく一発勝負でピタリと止まる。)
(ラッキーナンバーの店では、7揃いを持ち玉遊戯にする所も多かった。)
(丸型の変則アタッカーも、ハロウィンの大きな特徴。後に、連チャン機「ブルーハワイ」でも採用。)
私は、1991~92年にかけて、賞球7&15の「ハロウィン」を、ホームだった小田急線Y駅「パチンコL」で好んで打っていた。仕込まれた連チャン性はないが、カラフルなドットデジタルが揃った瞬間の「高揚感」が、堪らなく好きだった。
1991年といえば、旧要件機から新要件機への入替が急速に進んいでいた。「L」も心機一転して、大規模リニューアルオープン(外観・内装とも大きく変わった)をこの年に敢行。
「L店」リニューアル前の主な設置機種
ハネモノ…パチンコ大賞13、スーパーブラザーズ、スタジアム、め組一番、プラトーンII、レッドライオンアルファ
デジパチ…ニュートランプカード2、ダービー、ファンキーセブン、パールセブン
一発台…ベータ
権利物…スーパーロボット
パチスロ…アラジン、ビッグパルサー
⇒「L店」91年リニューアル時の主な設置機種
ハネモノ…ニューモンロー、ニュートキオ、サーカスIII、ブンブン丸、パチンコ大賞13
デジパチ…ルーキーデルタ、ハロウィン、カクテルA、フィーバースパークGP、ニュートランプカード2
パチスロ…アラジン、スーパープラネット
※店内設備も、景品カウンターまでドル箱を自分で運ぶ旧システムを廃止。各シマの中央に、ジェットカウンターを新たに設置した。同時に、ドル箱もジェット用の浅い2400箱に統一。また、玉貸機には、新たに上皿用の「レール」が取り付けられた。シマ端の両替機は、従来の「100円×10枚」型から、500円硬貨が2枚出るタイプに変更された。
★体感器攻略について
ご存知のように、当時ハロウィンには「体感器攻略」ネタが存在した。一介の学生パチンカーの私に、実戦する余地などなかったが…。当時の資料を紐解き、攻略内容をまとめた。
ハロウィンでは、大当り決定の際、左右出目を決める「乱数X」と、中出目を決める「乱数Y」の二つの乱数を使っていた。乱数X・Yで決定した出目が全て同じなら、大当りとなる。
乱数Xは「0~224」の225通りで、左右出目をワンセットで決定する(例:乱数Xが「200」なら左に8、右に7が出る、といった具合)。
そのうち、「0~14」の15コマの範囲に「リーチがかかる乱数」(左右ゾロ目が出る乱数)が集中していた。
この乱数Xの周期は約3.0秒~3.2秒と遅く、リーチの集中する15コマの範囲を、体感器で狙い撃つ事が出来た。
0~224の乱数値は、左右の出目パターン225通り(15×15)に対応しており、左右の停止出目から乱数Xの現在位置が特定できた(乱数⇔出目の「早見表」が便利)。
リーチの場合も同様で、15種類のリーチ絵柄に乱数Xの0~14の数値が対応。リーチ絵柄から、乱数の位置を把握する事が可能だった。なお、両者の関係は次の通り。
「ハロウィン」の乱数Xとリーチ絵柄の対応表(上:乱数X、下:リーチ絵柄)
ただ、このままだと、誰もが体感器で簡単に攻略可能となってしまう。しかし、ハロウィンには攻略を阻害する、大きな「仕掛け」があった。それが、ハロウィン内部に取り付けられた、「サーミスタ」と呼ばれる温度変化を感知する抵抗体(センサー)である。
このサーミスタの存在により、ホール内の温度変化に応じて、乱数Xの周期が変動するように仕組まれていたのだ。通常の体感器では、こうした微妙な変化に対応する事は難しかったが、専用の「万能体感器」(定価「20万」ともいわれた)が開発され、微調整が可能となった。
なお、上記の説明は7&15の「ハロウィン」についてのものだが、無制限仕様の「ハロウィンII」についても攻略が可能。
ハロウィンIIの場合、大当り確率が1/228と低い為、乱数Xの範囲も228コマと広い。その為、乱数Xの周期は「ハロウィン」よりも長く、約3.5~3.7秒である。また、左右出目と乱数Xの対応の仕方も、「ハロウィン」の場合とは異なる。
但し、「0~14」までの乱数範囲がリーチに対応している点や、内部にサーミスタが取り付けられている点は同じである。
ハロウィンやハロウィンIIにリーチの偏りがある事は、実は当時の攻略誌「P必勝本」誌が、主力の「必勝G」誌や「攻略M」誌より先に疑惑を抱いていた。
「P」誌は、ハロウィンの実機を入手した際、電源オンと同時にゲージ棒で素早く保留を満タンにする「5個入れ打法」を試した。結果、この手順で5個入れした場合は、複数の保留玉でリーチが掛かり易い事に気付いたのだ。
電源オンの瞬間、乱数Xは「0」からスタートするので、その瞬間に素早くゲージ棒で5個連続点灯させれば、「0~14」のリーチ集中ポイントで保留ランプを点灯させる事になる。リーチが連続して掛かり易いのも、至極当然であろう。
★大当り促進打法の噂(ガセと判明)
体感器攻略がおおっぴらになる前、「G」や「M」などの各攻略誌では、「ハロウィンは、連続回転をキープすると大当りし易くなる。」という説(噂)が流れていた。
これは、同時期に登場したニューギンの「エキサイトカムカムAW」というドラムデジパチに同様の噂(大当り後は、連続回転が途切れるまで確率1/53にアップする)が流れた為、ハロウィンでも連続回転中は確率がアップしているのではないか、と疑われた事による。
この噂は、元々1991年11月に放映された「パチンコNOW」の機種説明コーナーで、「ハロウィンは、続けて回せば回すほど大当りし易くなるらしい」という未確認情報がオンエアされたことに端を発する。解析の結果、連続回転も単発打ちも、大当り確率は変わらないと判明。噂は見事にガセであった。
但し、エキサイトカムカムAWの連続回しについては、主力2誌(「G」誌、「M誌」)がガセネタと結論付けた一方、「P必勝本」誌の方はマジネタであると力説した。当時の資料を読む限りでは、「P必勝本」の説(確率アップ説)に、かなりの信憑性があると思われる。