Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

母の日に・・・

2013-05-12 07:33:20 | 素敵な現場
こんにちは。シニア担当のYokoです

今日は「母の日」ですね。

皆さんはどのように過ごされるのでしょうか?

会ったり、電話をしたり、メールの人もいる事でしょう。

どんなお話するのでしょうか??


母の日には「カーネーション」

送る方も多いですよね。カードは添えましたか??


カーネーション 花言葉は「女性の愛」「純粋な愛情」


シニアの皆さんのお母さん

もうとうの昔に亡くなっています。

「どんなお母さんだったのですか??」

その問いに誰もが目をきらきらさせて、まるでさっきまで一緒だったかのように『あの頃』の話をしてくださいました。


 「優しいお母さんだったのよ」

 「百姓で働いてばっかりで苦労したんだよ。」

 「厳しい人でね、私は長女だったから・・・・」


もう会う事は叶わなくとも、今も心の中にいる大切なお母さんにこの日はお花を贈るワークにしました。

そして私はこう一言つけたしました。

~どうぞお母様と会話をするように一花一花咲かせていきましょう~


ゆっくりとご覧下さい。


「もういないもの。。」そうはじめはおっしゃっていた、初参加の女性の作品
色とりどりの花束に添えた言葉は「ありがとう」
そして最後に私達にも一言が・・・「もう一枚作りたい!!」



「家は百姓で働いてばっかりいたから、苦労ばっかりでさぁ~」
そう言ってクルクルとしたまあるい目に涙がいっぱい
お花の下の青く丸めた紙はSさんの涙かもしれません。



タイトルを伺うと「花だね」と一言だけのN様(男性)
ワークで使った生のカーネーションを真ん中に大きな色とりどりの花束に
あまり多くの話はしてくださる事はなかったけれど、静かにお母様と心の会話をされていたようでした。
男性は恥ずかしがりなのかもしれませんね。



「亡き母に送る造花の美しさ」
ここの所体調を崩されていたS様 右手にしびれがあるため、職員の方と一緒に仕上げて行きました。
こんな風に一句がさらさらと浮かぶ所が本当に素敵です。



お母様に贈る言葉ではなく、お母様から言葉を頂いた方もいらっしゃいました。
「明るく元気に長生きしてね」
娘を想う母の言葉・・・



「お母さんより長生きしています」
Sさん涙がぽろぽろ・・・私もじーーーーん。。。
「健康で丈夫に育ててくださったのですね?」とお伝えすると
「うん。そうだね」と涙がひっこんで、満面の笑み
この切り替えの早さが長寿の秘訣かもしれません!!



ワークで時に触れる自分の感情
お母様とのお別れがいまだに消化出来ていない心のうち
この日ワークが終わった後、サポーターのFumiがずっと話を聞いていました。
その気持ちを少しでも話が出来るという事 受け止めるセラピストがいるという事
シニアアートワークの素敵な所です。



「おふくろさん」
初参加の男性 O様 96歳
15歳で戦争に行きました。
無事に日本に帰ってきた時にはお母様は亡くなられていたそうです。

 「怒られた事なんて一度もなかった」
 「いつも美味しいご飯を作ってくれたんですよ」
 
 「一輪がいい」

O様「おふくろさん」って、もっとたくさん呼びたかった事でしょうね。。。


母の日が制定されたのは昭和24年 戦後です。
O様は一度も母の日にお花を送るなどという事をした事はないかと思います。

ワークの後に職員の方にこうお話されたそうです。

「楽しかったよ!!」って。


天国にいるお母様達 喜んでくださったかなぁ・・

会う事は叶わなくとも、一花一花ご自分でねじったりはったりしながらお母様と過ごされたワークの時間でした。

静かであたたかい時間でした。

どうぞ皆さんも心あたたかい日をお過ごし下さい。



小さな手でゆっくりちぎって ひとつひとつ丁寧に貼って
この作品にすべてが詰まっているように感じました。


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