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Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

天使の微笑み

2009-07-01 12:38:29 | イトマリ
こんにちは

大阪担当のいとまりです。


雨が降ったりやんだりで毎日、蒸し暑い日が続きますね


そんな時は水彩を使ったワークでスッキリ リフレッシュ!!


と言う事で今回、大阪では水彩絵の具を使った「心の虹を描こう」と言うワークを行いました。


机いっぱいに広げた大きな障子紙に霧吹きを使って
みなさんで思い思いの雨を降らせます。

みなさんまるで子どもに戻られたように「シュッ シュッ」と
楽しそうに雨を降らせていらっしゃいまた。

中にはいたずらっ子のような眼をされて
お向かいに座ってらっしゃる方めがけて水鉄砲さながら
「シューッ」と水をかけてらっしゃる方もいて、かなり盛り上がりましたよ


そして、たっぷり雨を降らせた和紙の上に
棒の先にスポンジが付いている筆で思い思いの虹を描きました



そんな私たちの様子をいつもニコニコしながら温かいまなざしで
見守って下さっている一人のご婦人がいらっしゃいます。


今日はその方のお話をさせていただきたいと思います。


その方はあるグループホームにご入居されていて、
私が初めてお会いしたのは今から3年程前になります。


そのグループホームには9人の方がご入居されていますが、
認知症の症状としてはその中でもそのご夫人が一番重く、
入居当初からご自分のお名前を伝えられたり、
他の入居者様と会話を交わされたりと言うのは難しい状況でした。


それどもワークには毎回、欠かさず参加され、
いつもみなさんのお顔が一番よく見えるお席に座られます。



そしていつものようにワークが始まり自己紹介。
そのご夫人に代って私がお名前を紹介させていただくと、
みなさんの温かいまなざしと共にひと際大きな拍手がお部屋に響き渡ります。

ワーク中はご自身で作品を作られたりと言う事はできませんが、
それでもお歌に合わせて手を動かされたり、
時折、目の前にある画材に興味を示されたりなさいます。

この時も霧吹きの感触を体験していただいたり、
絵の具の触感を味わていただいたりしていました。


作品の仕上げは隣に座っていらしたご入居者様とサポーターが
そのご夫人のイメージで仕上げをお手伝いさせていただきました。


そしてワークが終わり承認の時間。

「今日は○○さんのイメージでお隣に座ってらっしゃった○○さんと
サポーターがお手伝いさせていただきました」とお伝えすると、


「いいねぇ」
「○○さんにぴったりやね」
「○○さんは昔、学校の先生やってんよ」
とみなさん温かい拍手と共に色んな言葉をかけて下さいます。


そこにいるみなさんのご夫人を見つめるあったか~い眼差しに
思わず私は胸がジーンとしてしまいました


私はその方の優しい笑顔が大好きです。
そして、その思いはみなさんも一緒だったんだなぁという事に
改めて気付きました。


そのご夫人のはそこのホームで何かのお手伝いをされたり、
みなさんとお話をされたりすることはなくても
そこにその人として存在して下さっているだけで
一緒に暮らしていらっしゃるみなさんに温かい物を
沢山与えて下さっていたんですね




これから先、はたして私はどんな年の取り方をしているのか


怒りっぽいおばあちゃんになっているのか?
優しい笑顔のおばあやんになっているのか?
はたまた食いしん坊のおばあちゃんになっているのか・・・


できることならあのご夫人のように
天使のほほえみでみなさんを見守れるような
おばあちゃんいなりたいですね

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