自由の花

こんにちは。
大阪シニア担当のいとまりです。

大阪は今朝も雨・雨・雨・・・
すっかり梅雨に逆戻りといったところです。


さて、いつもブログでは私のお邪魔している
大阪の老人ホームでのみなさんのご様子を中心に
書かせていただいているのですが、
今回はちょっぴり嗜好を変えて
老人ホーム以外での私のシニアアートワーク活動について
書かせていただこうと思います。

これを読んで下さったみなさんがシニアアートワークの活動の場の広がりや
お仕事としての今後の可能性を少しでも感じていただけたらうれしいです



私が活動している大阪市には高齢者の「閉じこもり予防事業」というのがあります。
これは社会福祉協議会が中心となって行われている事業で
高齢者の方がお住まいの地域で、身近に通える場や気軽に取り組めるプログラムを通じて
心身に適度な刺激を与えることで閉じこもり状態、認知状態、
うつ状態の改善を図り、生活機能の低下予防を目的とした事業です。

私もこの事業に参加させていただいていて
月に1～2度のペースで大阪市内の色々な地域にお邪魔させていただいています。


先日も大阪市内のある地域にお邪魔させていただいたので
今日はそこでのみなさんの様子をお伝えさせていただきますね。


その日は男女合わせて9名の方々がご参加くださいました。
みなさんとてもお元気な方ばかりで、
集まられると早速おしゃべりの開始です。

今回は夏の花ということで「朝顔」をテーマにアートワークを楽しみました。


みなさん、久しぶりの水彩絵の具の感触に「楽しいわ」と
気づけば大きな和紙は色とりどりの絵の具で
いっぱいに染まっていました。


その和紙を使って朝顔を作り、
最後には額縁に入った思い思いの
素敵な朝顔の花が出来上がりました。

お一人お一人の作品をご紹介していると
みなさん口々に
「あなたのいいわねぇ」「その色も素敵よ」と
お互いの作品をうれしそうに見せ合っていらっしゃいました。


そんな中で、お一人の男性の作品をご紹介すると
その方は作品のタイトルを「自由な花」と書かれ、
お伺いすると「わしも自由やから花も自由な花」とお答えくださいました。

その男性は和紙に色を塗られている時も
「花火のイメージで塗った」とおっしゃって、
とても鮮やかな色を塗っておられ、
「きれいないろやねぇ」と他のみなさんの
注目を集めていらっしゃいました。


みなさんからの拍手に少し照れながら、
でも、とてもうれしそうにしてらっしゃったのが印象的でした。


その様子を見ていらした職員の方が後で教えてくださったのですが、
実はその男性は先月の絵手紙の時にはみなさんのペースに付いて行けず、
ひとり違ったことをされていたりして、とても混乱されていたご様子で
最後には「もう、わしは何をしていいのかわからん」とおっしゃっていたそうです。

その様子を見ていらした職員の方は
「認知症が進んでしまったのかもしれない」と思われたそうです。

でも、今回のその方の様子をご覧になりとても驚いていらっしゃいました。


今回のことはその男性の参加された日の体調もあるので、
とこはたまたまなのかも知れませんが、
それでも、その男性が自分のしたい表現を通して
笑顔になっていただけたことは私の喜びでした。

そして、その喜びを職員の方々と共有できたことがとてもうれしいです。


これからもひとりでも多くのシニアの方々の
こころが笑顔になるようなアートワークの場を広げて行きたいですね。


では、台風の近づきつつあるおおさかより・・・