Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

最後のワーク

2011-11-26 00:23:35 | ありがとうございました
シニア担当のYokoです。


立ったり座ったり、来ても帰ったり

繰り返し 繰り返し 繰り返し

それでも私たちはあきらめず、

どんな様子でもいつも同じように迎え接してきました。



どれぐらいたった頃でしょうか?

はじめから終わりまでワークに参加してくれたのは。

そしてそれはこの場が安心で安全だとご理解してくれた瞬間。



最初はテーブルの上に並べた写真や紙や様々なものを綺麗に重ねてしまう。

その手つきを見て、私はもしや?と思いました。

「何か伝票を扱うようなお仕事ではなかったですか?」

その通りだったのです。

大きなお米問屋さんか何かをされて、伝票などは常にあったようでした。

ちょっとしたその人の仕草

体が覚えている記憶です。



いつも着ているカーディガンは鮮やかな青

時々は赤ちゃんのお人形を大事そうに抱え

認知症の方でした。

だけれども私にはそう思えないことばかりでした。



ひとことひとこはここに書き出せないくらい

たくさん たくさん そのお人柄のまま やさしかった

励まされたこともありました

諭されてこともありました

人には様々な事情がある それでもやさしくするようにとも

一緒に大笑いもしたし 涙を流したことも



認知症?

もちろんそうだったのでしょう。

でもそれは脳の病気

心にあるその人だけがもつ

その人の積み重ねた色や形 その人だけが持つ温度

そこから発せらる言葉達

まさしく「心は生きているのだ」と私は思います。



先月行なったワーク

わらを使ったワークでした。

わらを触って、職員の方とわっかを作って

そのわっかに顔を入れて 子供みたいに笑っていました。



それが最後のワークになりました。

偶然にも「わら」でした。

お亡くなりになったと聞いたとき

寂しさもありましたが、

私は失礼かもしれないですが

なぜか最後に「わら」だった事が

なんだか心をあたたかくしました。

何かを予感したわけでもないのですが、

慣れしたんだそんな素材をお届け出来て

そこに笑顔があった事が。。。。。



U様

ふるさとに帰られたとお聞きしました。

懐かしい新潟の風景はどうですか?

もう少しで雪が来ますね。。






ありがとうございました。


合掌


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
合掌… (satoko)
2011-11-28 17:53:55
思い出しますねぇ。

青いセーターやお帽子もお似合いで、おしゃれで粋で優しい方。

U様がいらっしゃらないと寂しいでしょうけれど。優しい笑顔でお空に行かれたように思います。

合掌…
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 (Yoko)
2011-11-28 18:38:50
satokoへ

ひろーーーい心をお持ちの方でしたよね。
空見たいに。。

会いたいときは青い空をみよう・・・
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Unknown (あいこ)
2011-11-28 21:55:55
Uさんは、青い空のような人だったんですね。

ようこさんのブログを見ながら、わたしの亡くなった祖母のことを思い出しました。

祖母は、わたしに、見舞いに来たのに、蓮棚を観光してきなさいと言いました。
こちらに来たら、楽しい思い出を作って帰ってほしいと言って。

祖母は、最後の最後に、わたしに素晴らしい景色をプレゼントしてくれました。
わたしも、祖母に会いたくなったら、また見に行きます。蓮の花が咲く時期に。
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素敵なお話 (Yoko)
2011-11-29 09:14:37
あいこさんへ

「体」という形は私たちの前から一旦さよならをするけれど、
「こころ」という見えないものは
何か形や場所を変えて私たちのそばに居てくれる。
それが空だったり、蓮棚だったり、私たち自身の心の中だったり。。。

素敵なおばあちゃま。。
お話してくれてありがとう。。

こころがあたたかくなりました。
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