詩の天使

シニア担当のYokoです。

素敵な本と出会いました。

今年の春に初版が出て、まだ8月だというのに第13刷も発行されているのですから

ご存知の方も多いと思います。


『くじけないで』　柴田トヨ（著）

帯にはこう書かれています。

　～この本を知ってるか　知らないかで　人生が違うと思う～

現在98歳の女性です。

お写真はとってもかわいらしい。

その理由は90歳からはじめられたというこの本にまとめられた

「詩」の中にありました。



私が感じた事は

そのみずみずしさ

感性の豊かさ

生きる力

大らかさ

くふっと思わず笑いたくなるユーモア



それらがトヨさんのやさしい詩で綴られています。



よく高齢者の方の様々な表現に対して

「○○歳とは思えない」という場合がありますね。

何気なく使っている言葉ですが、その表現は時にとても失礼な気がします。

私もシニア向けのアートセラピーで沢山の人生の大先輩と関わる事で

お一人お一人の心がとっても豊かでみずみずしく　そして　とてもしなやかで・・・

何度私は自分が持っていた物の見方、人の見方などがどれだけちっぽけな事かと

はっ　と気づかされた事でしょうか。



年を取るとどうやら多くの方は、

そんな素敵な物をお持ちでないと思う方が多いのでしょうか？

顔にしわが出来てても、少しどこか体が動きにくくなっていても

心にしわができていたり、心が動きにくくなっているとは限らないのに。

だから「○○歳とは思えない」なんて言葉になるのかもしれませんね。



「先生に」

　私を
　おばあちゃん　と
　呼ばないで
　「今日は何曜日？」
　「９＋９は幾つ？」
　そんなバカな質問も
　しないでほしい

　「柴田さん
　西条八十の詩は
　好きですか？
　小泉内閣を
　どう思います？」
　こんな質問なら
　うれしいわ
　　　　　　　　　　　　　　　　『くじけないで』柴田トヨ




あるがままでいいという事がどれだけ素晴らしく

私たちはどうしてその事に気づかず

どうして苦しい方へ　難しい方へ　やっかいな方へと

自分の人生のハンドルを切っている事か


でもそのハンドルを切った先で見える風景を味わう事で

本当に見たい風景に気づいたりするのも人生ですが・・



「貯金」

　私ね　人から
　やさしさを貰ったから
　心に貯金をしておくの

　さびしくなった時は
　それを引き出して
　元気になる

　あなたも　今から
　積んでおきなさい
　年金より
　いいわよ
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　『くじけないで』柴田トヨ



どうぞ書店で手にしてみてくださいね。