Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

103歳 吹き出す!

2010-06-22 10:35:23 | 素敵な現場
こんにちは。シニア担当のYokoです。

みなさんの周りの最高年齢はおいくつですか??

私の最高年齢は103歳のKさんです。

調べたら1907年生まれ 明治40年。。

足腰は弱っていますが、心はとってもお元気な女性です。

そしてとっても小さい。

身長は多分130cm代だと思われます。



このKさん

私がアートセラピーをやっている有料老人ホームの最高年齢なんです。

150名近くいらっしゃるご入居の方の中で「最高峰!」

ご入居の皆さまから愛されそしてとても敬われています。

この施設は大変高級(私には雲の上のようです)ですので、

みなさんお金持ちの生活をされていらっしゃるかたばかりです。

(私にはわかりませんが きっとそういう世界はイロイロと・・)




アートセラピーに参加されてもう2年以上が経ちました。

いつも私を「先生」と呼び、

和室の敷居をまたぐ前に一度止まり 着席されている方に(みなさん年下です)

そして遅くなっていなくても「お待たせして申し訳ございません」と深々と頭を下げます。

この丁寧さに私はいつも心打たれます。

そして同じ日本人でも「教育」の違いとても感じます。



でもそんなKさん 今日はなんと私の顔をみて

「ぷっ」と我慢していた笑いを吹き出してしまったのです。

それは体操をしている時間に、私がちょっと見本を・・・とおかしな顔をした時でした。

「ぷっ」 そうして手を慌てて口に当てましたが時既に遅し。

即座に私が失礼ながらつっこみを・・・



「K様 今 私を見て笑われましたね~」

「失礼いたしました。。ぷっ」



ちょっとおかしくてなみだ目気味のKさん

その様子がおかしくて私も笑ってしまいました。

するとつられてお仲間のみなさんにも笑いが・・・



こんな様子は私のアートセラピーの時間ではよくあります。

私が何よりも大切にしている瞬間かもしれません。

Kさんは先ほども書いたように 最高年齢

普段は他の皆さまに「K様 K様」とまるで神様仏さまのように敬われ 

その時は物凄く「しゃん」とされているのだそうです。

こういう事ってありますよね。私たちの生活の中でも。

他の視線や立場などによって 自然とそして時に意識して そして時には無意識に

他に見せる自分を作っている時。

Kさんもそうなのだと思います。



でもこのアートセラピーの時間にはその「しゃん」は要りません。

心も体もゆるりとお仲間と過ごしていただく場所。

年齢も越えて、みなさんでアートを通して表現をお仲間で楽しく過ごして頂く。

それは何も作品だけではありません。

自分らしい素直なあり方も表現。

お気持ちを話される事も表現。

年上だからとか、先に入居したからとか全く関係なく

それぞれの方の作品(表現)に指導や指示 評価などせずに

みんなでお一人お一人の作品(表現)に心から拍手をして承認していくあたたかい場所。

そして思わず吹きだす「ぷっ」の場所。



こんな吹き出す103歳のKさん

普段の生活では決してみないのだと職員の方がおっしゃいます。

そしてそんな様子に触れるたびに職員の方が驚かれるのです。

そうですよね。神様仏さまのように扱われてしまうのですから・・



どちらがいい悪いではなくて

この両方がある事がとても大切なのだと私は思います。

「しゃん」と「ゆるり」



ふふふ、神様仏さまもここだと自分らしくいられる場 

「ぷっ」

うれしいな。

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