Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

真冬の春の兆し

2013-03-06 00:13:39 | 素敵な現場
こんにちは。札幌のJunkoです。
あっという間に3月になってしまいましたが、2月の現場の様子をお伝えします。

先日東京へ行った際に、気温や木の芽の膨らみに
地元ではまだ感じることのできない春の兆しを感じて帰ってきました。
この時期北海道は、今年は特に雪が多くて大変です。
そんな毎日の中、春の兆し…もう少しで春がやってくるという思いは
心の活力になります。
シニアの皆さまと一緒に春の兆しを感じられたら・・・そんな思いから、
百花の魁(さきがけ)とよばれる梅をテーマにしました。

皆様をお迎えするテーブルには、
表に梅の写真、裏には和歌を書いたカードをご用意しました。
この日参加された方は女性5名。
いつもより少なめの人数で少し寂しいな・・・
なんて思っていたのも束の間、
皆さまお席に着かれるとすぐにカードを手に取られ会話が始まり、
最後までとっても和やかで笑いの絶えない楽しい時間を過ごしました。

まずはウォーミングアップです。
「両腕を肩の高さまであげましょう」と伝えると、
皆さまゆっくりと両腕を上げていきます。
するとある女性が「あら、あなた。手がきれいね」と
お隣の方へ声をかけられました。
「あら、ほんとね~」とさらに隣の方も。そう言われたご本人は
「やぁだぁ♡」というジェスチャーと嬉しそうなお顔・・・
一気に場は盛り上がり女子会モードです♪

ウォーミングアップの後、
カードに書かれた和歌の中からお好きな歌をお一人ずつ詠んでいきました。
使用した和歌は万葉集からの引用です。
春を待つ歌、春を喜び楽しむ歌、恋の歌・・・色々とあります。
特に盛り上がったのは恋の歌。
「まぁ~♡」「あなたのことじゃない?」「ロマンチックね~」・・・と
皆さま、きゃっきゃと楽しそうにされていました。

そしてメインワークへ。
春の兆しをもたらす梅の花を、小枝と羊毛を使い表現していきました。
用意した小枝の中からお好きな小枝を手にとっていただき、
その枝に咲く梅をイメージして、羊毛を飾り付けていきます。
制作の最中も会話や笑いが絶えず、この日集中による沈黙が訪れたのは
紙に小枝をお好きな位置に貼りつけている時だけでした。

ワークの最中に皆さまと色々なお話をしました。
梅のキレイな場所の話、羊毛について、
そして再びウォーミングアップで盛り上がった手の話題になり、
最後には石炭ストーブの話へと移っていきました。
「昔は(石炭)ストーブのアク取り(灰のことだそうです)が大変だったわよね~」
「あれが一番嫌な仕事だったわ~」
「子どもの頃はアク取りが自分の仕事だったわ」と、
皆さま懐かしむようにお話をされていました。

鑑賞会では、皆さまお一人お一人の作品の細かな所にも気がつかれ、
「形がいいわね」「バランスがいいわ」「色がいいわね~」などと
素敵な承認の言葉がありました。

  

  


沢山の梅の花。
どれも生命力に溢れ、堂々としていて、品があって、ユーモアがあって・・・
とても美しいです。


一歩外へ出ると真冬の札幌ですが、
シニアの皆さまのアートの中に一足早く春の兆しを感じた一日でした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿