NPO法人 専攻科 滋賀の会

盲・聾・養護学校高等部への専攻科設置拡大、そして広く特別な教育的ニーズを有する青年たちの教育機会の保障をめざす滋賀の会

【開催結果報告】サンデー専攻科「性・Sey・生」

2017年06月26日 15時25分30秒 | 会員募集のお知らせ

6月18日(日)滋賀県立野洲養護学校にて、当会第9回総会と同時開催で

サンデー専攻科〝性・Sey・生”(セイ・セイ・セイ)を開催しましたのでご報告致します。

今回は「性教育を楽しく、判り易く皆で学ぼう」というテーマで、青年の皆さん、関係者の方々とともに学びました。

            ご報告             

 20061213日に国連で採択された「障害者権利条約」では、障害のある人が自らの自由な意思によって婚姻し、出産し、家族を形成する権利を有することを認めています。なぜなら、人としての豊かな自律生活において、人を愛することや愛する人と結ばれることはとても大切なことだからです。しかし、障害のある人が恋愛し、結婚、出産することに対しては、まだまだ周囲の無理解や抵抗が強く、多くの困難があります。そこで「生と性の教育」を通して、自分自身や異性の体について正しく知ると共に、人を愛することの素晴らしさを感じることをねらいとして、サンデー専攻科でこのテーマを取り上げることにしました。

 生徒たちは、普段の学校や作業所や家庭生活の中で、「性」についてさまざまな疑問や悩みを抱えていますが、それらを解決するための知識やスキルを十分には獲得していません。一方で、商業化された「性」についての誤った情報はあふれており、その気になれば簡単に手に入れることができます。したがって、「性」についての正しい知識を身につけると共に、人を愛することの素晴らしさを感じることを通して、自らの人生に夢と希望を持ち、前向きに生きる姿勢を身につけることができると考えました。しかし、今回のサンデー専攻科の授業は一回きりであり、またどのような生徒たちが来るかが分からない為、どこまで取り上げるべきかについて悩みました。本来ならば、高等部を卒業した人たちには、セックスや避妊までの正しい知識を身につけてほしいところですが、今回の授業では一部の前半では男女合同の授業で、二次性徴と男女の体の違いと仕組みまでを、そして後半は男女別の授業にしました。二部では、総会の参加者も交えてのグループワークに取り組みました。資料は、全日本手をつなぐ育成会が発行している自立生活ハンドブック「性 Say 生」を活用しました。

 参加者は男子3名女子4名で、保護者と支援者の参加が3名あり、講師は森本と小川理事が行いました。小川理事は事前に、ホワイトボードの片面に得意のイラストで、男女の裸に紙を切って作った下着でプライベートパーツを隠したものと、もう片面には男女の性器の構造の絵を描いてくれました。当初は配布資料を拡大コピーしたものを紙芝居風に使う予定でしたが、ホワイトボードのイラストの方が説明をしながら記入がしやすく、とても良かったと思います。

 席は男女別に座ってもらいましたが、前半は異性がいることでやや緊張した様子が伺え、あまり意見や質問は出ませんでした。後半の男女別講義では、男子はマスターベーションについて、そのルールや方法について学びました。男性にとって、正しくマスターベーションができることは、大人になるプロセスにおいてとても重要なことですが、保護者でもなかなか教えることが難しいため、どこかでしっかりと学ぶことは大切なことだと思います。女子は、事前に生理の意味と処理方法についての資料を用意していましたが、参加者の実態に合わせて、恋愛や恋についてのグループディスカッションが中心だったようです。

  二部のグループワークでは男女別のグループに分かれて、各グループでの自己紹介の後、さいころで出た目の数で指定したスキンシップを希望する相手にお願いをしてから、してもらうというゲームをしました。このゲームでは、大人のマナーとして知らない相手にいきなりスキンシップをしないことや、知っている相手でも相手の同意を得ることやどこまでのスキンシップなら良いのかなどについて学ぶことができました。このゲームで会場は一気に盛り上がり、あちらこちらで歓声が上がり、その後の一人ひとりの初恋やパートナーとの出会いなどの恋愛体験の発表も終始和やかなムードに包まれていました。

 

 今回の「生と性の教育」には「大人になるために大切なこと」というサブタイトルをつけました。人は大人になるために多くのことを学ばなければなりませんが、親や家族以外の人を好きになり愛することは、その中でも最も大切なことだと思います。しかし、なかなかしっかりと学ぶ機会がないのが現実ではないでしょうか。大人になるための正しい知識は、自然に身につくものではありません。今回の取り組みが、障害青年や支援者にとって、「大人になるために大切なこと」について考える一助になれば幸いです。(文責)森本

                        

次回サンデー専攻科は夏休み明けぐらいに実施したいと思います。楽しみにお待ちください!

野洲養護学校にある初期型ガンダム


 

 


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