SERVEL FIVE ~これからの街“ふじみ野”で働く社長~

『株式会社ケーズワイ』&『居酒屋煮こにこ』の代表土屋がお届けする、仕事や趣味話などを勝手気ままにお届けするブログです

青い瞳の彼

2012-10-29 15:40:45 | 雑談
店内が大勢のお客さんで賑わっている時間帯に

青い瞳の彼は突然やってきた。


とても端整な顔立ちは、

まるで少女マンガから飛び出てきた王子様のようだ。

ちょうど私の半分くらいの大きさしかない。


よく聞くと、

私たちとはとても近い“場所”で仕事をしているらしい。

そして付き合っている彼女と上手くいっていないようだ。

そんなどこにでもある日常的な会話や

日本の文化などについて、お酒を交わしながら色々と話した。


そんな彼が『煮こにこ』に慣れはじめた数回目の来店時、

こんな質問を私に投げかけてきた。


『ねえ、マスター人生って何なんですか?』

まくし立てるように、

『夢って何なんですか?』

もちんろん日本語でだ。


不思議と私もこの日、

同じようなことを考えていた。

もちろん同じようなことであって、

こんなに抽象的なことではないが。


私は逆に質問してみた。

『君の思う人生ってなんだい?』



当然答えられないだろう。

解らないからこそ彼は私に聞いているのだから。


もちろん私にだって解るはずはない。

“そんなことは一所懸命に働きながら、

泥臭くても生き抜くことだ”

という答えしか数時間前の私には導き出せなかったのだから。


私が、半ばそっけなく聞き返した質問に

たどたどしく答える彼。



隣でかみさんが、

『あんまり難しい話しをないでね』とポロリ。


ついつい悪い癖がでた。



どうやら私には、話を難しくする癖があるようだ、

かみさんは私のこういうところが面倒らしい。



彼の年齢は25歳くらい、

そんな彼は今、異国の地で様々な想いを胸に、

葛藤しているのであろう。


もしかしたら見知らぬ居酒屋で出会ったマスターに突拍子もない

質問をしてしまったことにを後悔しているかもしれない。




私がこのくらいの歳の時ってどうだったろう?

今の自分の姿をどう想像していただろう?

彼のその小さな顔を眺めながら考えていた。


もっと夢や希望に満ち溢れていたはず。

もっと大きな何かを掴んでいたはず。


しかし、今でもその野望は捨てていない。

いや、捨てきれないのが正しいのか・・・




サラサラとした砂浜の砂を握り締めてみる。

そうすると指の隙間から、ほとんどの砂はこぼれ落ちていく。

手のひらに残るのはほんのごく僅か。

その僅かな砂が大事なものだとしたらそれはなんだろう?

夢か?

希望か?

現実か?


しょせんこの程度の器しか持っていないんだ。

皆そうだ。


自分の手のひらを眺めながら、

物思いに更けている私を見て、

彼も自分の手のひらを眺めていた。


何かが伝わったらしい。


微笑んだ彼は、何かを私に伝えようとした。


瞬間、私は遮るように

『こんなもんだよ』と手のひらを見せてみた。


そうすると青い瞳をした彼は

『OK!ありがとう!』と。


何が伝わったかは解らないが、

何かは伝わったのだろう。


答えって結構自分の中にある。


彼は、私の手のひらを見ている姿に何かを感じ、

答えを出して美味しいお酒を呑んだ。




ただそれだけ。



そんなんでいいと思う。


























コメント (2)
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