大注目だった『日本スーパーバンタム級タイトルマッチ』
久我選手VS和氣選手の頂上決戦。
僕は和氣選手の応援席で声をあげた。
一緒に行ったのは、
同じくボクシングマニアのO氏とツバッチョの3人。
果してこのメンバーで何回観戦に来たのかな?(笑)
久しぶりに超満員の後楽園ホールに来たな~
やはりボクシングはホールに限るね。
前座の試合から熱い試合が多く、
会場はボルテージが上がってきた。
両陣営から応援合戦が鳴り響く。
ゴングが鳴る。
スタートからチャンピオンの久我選手が、パワフルに右を振ってくる。
あの右を喰らったら終るな…
という位、
迫力のあるパンチだ。
今、一番勢いのあるチャンピオンだけのことはある。
鋭いステップでチャレンジャー和氣選手の懐に飛び込んでくる。
対する和氣選手は、
世界戦の経験もある元東洋太平洋チャンピオン。
“格”で言えば和氣選手の方が上。
踏み台にされてしまうリスクよりも、
より高みを目指すため、
敢えて、この勢いのあるチャンピオンに挑んだ、異例のタイトルマッチだったのだ。
この手の試合で、
数多くのベテラン選手が勢いのある若手の踏み台にされてきたのを僕は知っている。
でも、和氣選手には華がある。
必ず勝つと思っていた。
チャンピオンの鋭いステップを
和氣選手は巧みなフットワークでいなしていく。
前後の動きだけではなく左右にも動けている。
世界戦のときは前後の動きが殆どで、
左右に廻ることを許してもらえなかったのが敗因だったと思う。
でもこの日は違う。
第2ラウンド。
見事な左カウンターで先制のダウンを奪う。
その後もペースを握り、
焦るチャンピオンを嘲笑うかのようにジャブを中心に攻め立てる。
第5ラウンド。
『このまま行けばKOになるだろうな~』
って思った刹那…
『ゴチンッ!!』と偶然のバッティングがあり、
和氣選手の眉間から出血が(汗)
軽い脳震盪のような症状も見てとれた。
そこからチャンピオンが攻め立てた。
偶然とはいえ、このチャンスを逃すまいとガッツ溢れる闘いを挑んでいく。
チャンピオン陣営は盛り上がる。
負けじと和氣陣営も大きな声で支える。
ふ~、
なんとかこのピンチを乗り切った。
ホントこの日は右ジャブが冴えている。
チャンピオンの顔が跳ね上がり、ジャッジの印象も悪くなる。
和氣選手のエンジンが再び吹き始め、
迎えた最終回にそれは訪れた。
クリンチ間際の一瞬の隙をつき、
左右の連打からまとめ撃ちして、
チャンピオン陣営がタオル投入のTKO勝ち!
和氣選手が見事にサバイバルマッチを勝利した。
和氣選手おめでとう!
久我選手もお疲れ様でした。
両陣営の勇気あるマッチメイクに感謝ですね。
ボクシングファンは判っているんです。
良いカードなら後楽園ホールは満員になるんです。
下手な世界戦よりも注目されるし、
集客も見込めるのです。
安易な世界戦が組まれてしまう時代に、
敢えてサバイバルマッチわ敢行した意味を
関係者はどう捉えているのだろうか。
井上選手も“本物の世界戦”に立ち、
井岡選手も本場アメリカで再起する。
先駆者たちが道を作るのは、どの競技でも一緒なのかな。
今回の試合は国内の道を改めて示したのではないだろうか?
ボクシングファンとして久しぶりに熱い試合を見させてもらった。
いや~、
ボクシングって本当に素晴らしいですね。