最初からお読みになる方は下記からどうぞ。
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/cbbebf8d7a2ab59ffe0bd8650375ce24
*************************
第七章 椿薫子
合宿から帰った次の日から、薫子探しが始まった。いつもよりラフな格好、タンクトップと短パン姿の俊介が待ち合わせ場所に先に来ていた。
(俊介ってよくよくみるとイケメンなんだ・・)
私は、合宿が終わってから、いつのまにか気が付くと俊介のことばかり考えていた。
日記にも俊介のことばかり、ふと我に返ると俊介の名前が口をついてでていた。
なので、他の人に邪魔されずに俊介と二人きりで逢えるのは、目的がなんであれ、嬉しかった。
まず、不動産屋により、それからほとんど口を利いたことのない隣近所に椿家について訊いてみた。
俊介の母親と離婚した後、また再婚をして、どこかに引っ越していったとのことだった。
次に、香織は、SNS、で、だめ元で本名をいれて検索をしてみた。しかし、ひっかかるものは何もなかった。自分の日記でもさりげなく薫子とわかるような情報を入れ、友録している人たちに訊いてみたが無駄だった。
「香織・・・もうあきらめようか?」
「俊介、何言ってるの?」
「だって薫子だってもし俺に会いたかったら、何かしらアクションとってくると思うんだよね」
「どうやってアクションとるの?連絡先もわからないのに・・」
「まあな。」
ズキン!!一瞬胸が痛んだ。胸が痛むと同時になんともいえない苦い気持ちが胸一杯に広がってきた。嫉妬・・そう香織は知らぬ間にまだ逢ったことのない薫子に嫉妬をしていたのであった。
第八章 予知夢
「おおロミオ・・・なぜあなたはロミオなの・・?」
「おお・・ジュリエット」
(誰誰、俊介・・ロミオは俊介なの?ジュリエットは・・私じゃない。孝子でも小百合でもない。なんて黒髪が綺麗な人なの!)
「ああ・・いとしのロミオ・・」
「いとしの薫子」
「いやぁぁぁぁ!!」
ガバ・・「また夢?」
私は気がつくと汗をびっしょりかいていた。
その日は、なんとなく気分が優れなかった。
「香織、なんか顔色悪いよ」
「あ・・孝子・・うん、なんか夢見が悪くて・・ロミオとジュリエットの夢とか見ちゃって」
「何何?それでジュリエットは香織でロミオは俊介君だったりして・・・」
「ジュリエットといえば、この間の全国大学演劇コンクールの最高主演賞の椿薫子さんってすごかったよね!」
「あぁ私もWEBで見たよ・・なんかめちゃくちゃ綺麗で演技力もすごいんだっって」
「四国の代表だったんだよね。徳島国際大学だっけ?」
「つ・・つ・・椿・・椿・・薫子って」
「これこれ」
というと小百合が自分のノートパソコンに学内無線LANに接続してインターネットでその受賞シーン、ジュリエットを好演している女性の姿映し出した。
夢に出てきたのと同じつややかな黒髪をもったものすごい美人だった。
「この人だよ!私が以前話をした俊介の妹って」
「え・・・?そうなの?」
「うん。ちょっと、そのままにしておいて、今、俊介に連絡するから」
「いいけど・・・」
「もしもし、俊介・・私香織・・薫子さん見つかったよ。今学食。うん来て・・」
数分後俊介は食い入るようにパソコンの画面を見ていた。
「薫子だ・・変わってないな」
「徳島国際大学に友録している人がいるから、訊いて見てあげるよ」
と小百合が言い出した。
「ありがとう」
俊介の顔がみるみるうちに、明るくなった。
パリン・・心が割れた音がした。きっと私は薫子を探しながらも心のどこかで見つからなければいいと思っていたんだ。それにきっと俊介と薫子がこっそり逢ったらいやだなという気持ちがあって一緒に探していたのかも知れなかった。
嫌な香織!自己嫌悪!
なんかすごく自分のことが嫌になってきた。
「小百合、孝子、香織。ありがとう。早速、連絡をとって逢って来るよ・・」
「わ・・私も一緒に行ってもいい?」
何を私ったら言っているんだろう。
「と・・徳島って一度行ってみたかったし」
「いいよ。じゃ香織一緒に行こう。」
「OK。友達が薫子さんと同じ演劇部だから、連絡とってくれるって、俊介のアドレス教えて」
「OKOK。」
「よかったね俊介・・薫子さん、見つかって」
「香織のおかげだよ」
というと俊介がそっと香織をハグした。
恥ずかしかった・・でもうれしかった。香織はずっとずっとこの時間が続けばいいと思った。
孝子も小百合も、そんな二人を冷やかさなかった。きっと孝子も小百合も痛いほど私の気持ちをわかってくれていたんだと思う。
俊介が、4時限目の授業に出るために学食を去ると孝子が訊いて来た。
「単刀直入に訊くね・・香織は俊介君の事」
「孝子・・それは、今訊くのは酷だよ」
「そっかな。私今だから言うべきだと思うんだけど。今、告白しなきゃだめなんじゃない?」
「でも私自信ないし・・」
「結構イケテルと思うよ。俊介と香織」
「でもね・・きっと俊介君は、鈍感だから香織の気持ちわかってないと思う」
~つづく~
続きはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/effd8a90cc5a5bb80152ea0f1dcdfe40
******************
★シェリー★のつぶやきブログもよろしくお願いします。
http://blog.goo.ne.jp/shelly0324
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/cbbebf8d7a2ab59ffe0bd8650375ce24
*************************
第七章 椿薫子
合宿から帰った次の日から、薫子探しが始まった。いつもよりラフな格好、タンクトップと短パン姿の俊介が待ち合わせ場所に先に来ていた。
(俊介ってよくよくみるとイケメンなんだ・・)
私は、合宿が終わってから、いつのまにか気が付くと俊介のことばかり考えていた。
日記にも俊介のことばかり、ふと我に返ると俊介の名前が口をついてでていた。
なので、他の人に邪魔されずに俊介と二人きりで逢えるのは、目的がなんであれ、嬉しかった。
まず、不動産屋により、それからほとんど口を利いたことのない隣近所に椿家について訊いてみた。
俊介の母親と離婚した後、また再婚をして、どこかに引っ越していったとのことだった。
次に、香織は、SNS、で、だめ元で本名をいれて検索をしてみた。しかし、ひっかかるものは何もなかった。自分の日記でもさりげなく薫子とわかるような情報を入れ、友録している人たちに訊いてみたが無駄だった。
「香織・・・もうあきらめようか?」
「俊介、何言ってるの?」
「だって薫子だってもし俺に会いたかったら、何かしらアクションとってくると思うんだよね」
「どうやってアクションとるの?連絡先もわからないのに・・」
「まあな。」
ズキン!!一瞬胸が痛んだ。胸が痛むと同時になんともいえない苦い気持ちが胸一杯に広がってきた。嫉妬・・そう香織は知らぬ間にまだ逢ったことのない薫子に嫉妬をしていたのであった。
第八章 予知夢
「おおロミオ・・・なぜあなたはロミオなの・・?」
「おお・・ジュリエット」
(誰誰、俊介・・ロミオは俊介なの?ジュリエットは・・私じゃない。孝子でも小百合でもない。なんて黒髪が綺麗な人なの!)
「ああ・・いとしのロミオ・・」
「いとしの薫子」
「いやぁぁぁぁ!!」
ガバ・・「また夢?」
私は気がつくと汗をびっしょりかいていた。
その日は、なんとなく気分が優れなかった。
「香織、なんか顔色悪いよ」
「あ・・孝子・・うん、なんか夢見が悪くて・・ロミオとジュリエットの夢とか見ちゃって」
「何何?それでジュリエットは香織でロミオは俊介君だったりして・・・」
「ジュリエットといえば、この間の全国大学演劇コンクールの最高主演賞の椿薫子さんってすごかったよね!」
「あぁ私もWEBで見たよ・・なんかめちゃくちゃ綺麗で演技力もすごいんだっって」
「四国の代表だったんだよね。徳島国際大学だっけ?」
「つ・・つ・・椿・・椿・・薫子って」
「これこれ」
というと小百合が自分のノートパソコンに学内無線LANに接続してインターネットでその受賞シーン、ジュリエットを好演している女性の姿映し出した。
夢に出てきたのと同じつややかな黒髪をもったものすごい美人だった。
「この人だよ!私が以前話をした俊介の妹って」
「え・・・?そうなの?」
「うん。ちょっと、そのままにしておいて、今、俊介に連絡するから」
「いいけど・・・」
「もしもし、俊介・・私香織・・薫子さん見つかったよ。今学食。うん来て・・」
数分後俊介は食い入るようにパソコンの画面を見ていた。
「薫子だ・・変わってないな」
「徳島国際大学に友録している人がいるから、訊いて見てあげるよ」
と小百合が言い出した。
「ありがとう」
俊介の顔がみるみるうちに、明るくなった。
パリン・・心が割れた音がした。きっと私は薫子を探しながらも心のどこかで見つからなければいいと思っていたんだ。それにきっと俊介と薫子がこっそり逢ったらいやだなという気持ちがあって一緒に探していたのかも知れなかった。
嫌な香織!自己嫌悪!
なんかすごく自分のことが嫌になってきた。
「小百合、孝子、香織。ありがとう。早速、連絡をとって逢って来るよ・・」
「わ・・私も一緒に行ってもいい?」
何を私ったら言っているんだろう。
「と・・徳島って一度行ってみたかったし」
「いいよ。じゃ香織一緒に行こう。」
「OK。友達が薫子さんと同じ演劇部だから、連絡とってくれるって、俊介のアドレス教えて」
「OKOK。」
「よかったね俊介・・薫子さん、見つかって」
「香織のおかげだよ」
というと俊介がそっと香織をハグした。
恥ずかしかった・・でもうれしかった。香織はずっとずっとこの時間が続けばいいと思った。
孝子も小百合も、そんな二人を冷やかさなかった。きっと孝子も小百合も痛いほど私の気持ちをわかってくれていたんだと思う。
俊介が、4時限目の授業に出るために学食を去ると孝子が訊いて来た。
「単刀直入に訊くね・・香織は俊介君の事」
「孝子・・それは、今訊くのは酷だよ」
「そっかな。私今だから言うべきだと思うんだけど。今、告白しなきゃだめなんじゃない?」
「でも私自信ないし・・」
「結構イケテルと思うよ。俊介と香織」
「でもね・・きっと俊介君は、鈍感だから香織の気持ちわかってないと思う」
~つづく~
続きはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/effd8a90cc5a5bb80152ea0f1dcdfe40
******************
★シェリー★のつぶやきブログもよろしくお願いします。
http://blog.goo.ne.jp/shelly0324