さて第三場でございます。結婚式の親戚・友人代行業務を無事に終え、恭子と三郎が事務所に帰って参ります。
礼服姿の三郎と、私服姿の恭子が紙袋を手に現れる。
恭子 「ただいま」
三郎 「帰ったよ。・・・」
三郎、茶の間を覗き込む。
三郎 「カアサン爆睡中」
恭子 「疲れてんのよ」
三郎 「お呼び出しを申しあげます。社長様、スマイルマミーの社長様。表で狸が待ってます」
恭子 「三郎さ . . . 本文を読む
さて、三郎を中心に戯れて所へ、三郎意中の人由美が参ります。
いや三郎上がったのなんのって・・・
由美 「ゴメン、遅くなっちゃった」
孝雄 「ああ、由美さん」
三郎 「由美さん、遅かったじゃないの。みんな心配してたんだよ」
由美 「本当にごめんなさいね、三郎さん。子供を預けるのに手間取ってすっかり遅くなっちゃった」
三郎 「そうだったの。・・・エッ、子供」
由美 「そう、保育園に預け . . . 本文を読む
さて第二場であります。
その日の夕方。
本日スマイルマミーでは通常業務の加えて結婚式の親戚・友人代行業務。
玄関が開きヘルメットを持った作業着姿の剛史が
来る。
剛史 「ただいま」
茶の間の障子が開き、礼服姿の孝雄が茶碗を持ち 現れる。
孝雄 「ジャイアン、お帰り」
剛史 「あれ、孝雄さん、早かったですね」
孝雄 「ああ、メッセン . . . 本文を読む
さて怪しい電話があってすぐちょっと変わった客が訪れる。
入り口から坂口良介が顔を出す。
良介 「すいません、ちょっとお伺いしますが」
範子 「ハイ、なんでしょう」
良介 「こちらは、便利屋スマイルマミー様でしょうか」
範子 「ハイ、そうですが」
良介 「つかぬ事をお聞きしますが、こちらに岩村孝雄さんがお勤めでしょうか」
範子 「ハイ、居りますが何か」
良介 「ああ、そうですか。あのう . . . 本文を読む
ここは東京郊外の街にある便利屋「スマイルマミー」の事務所。
この事務所はこの町に古くからある畳屋であったが、ここの主人の立花三郎の没後、自立を考えた妻立花範子と娘多津子の親子によって便利屋事務所として生まれ変わっていた。
第一場 「スマイルマミー」朝礼
オレンジのユニホームとお揃いの帽子を身に着けた恭子・岩村・由美が範子 の前に並んでいる。
範子 「今日も天気予報によると暑 . . . 本文を読む