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京香 「・・・・あんた、やっとここまで来たよ。・・・立派にやってみせるからね、あんた」
京子達が立ち去ったあと姿の見えぬ誰かに語り掛ける京香でした。
そこへ京香の到着を待っていた、七曲りの仲間だったおでん屋万年青の新女将福田登和が来ます。
登和にとって京香は七曲がりの先輩である事は勿論、姉であり、良き相談相手でありました。
2年前京香はある事情からある日突然みんなの前から姿を消しました。
手を尽くし探していた七曲りの皆にとって京香の登場は驚きでした。
登和 「姉さん・・・」
京香 「・・・登和ちゃん」
登和 「・・・姉さん!」
登和 「なんで黙っていなくなっちゃったんだよ。どんだけ心配したか分からないんだから」
京香 「ごめん、ごめん」登和にとって京香との久々の再会は感激以外の何物でもありませんでした。
登和は京香が姿を消して以来の七曲りの仲間の近状を京香に報告します。
京香 「新しい場所での仕事はどう」
登和 「みんな苦労してますよ。北口じゃ昔の名前は通用しませんからね、やっぱり一からは始めるのは大変ですね。つくづく七曲がりの有り難味を感じますよ」
京香 「そうか。あたしもその一からの苦労を感じる事になるんだね」
登和 「いや、そんな。姉さんは大丈夫ですよ」
京香 「あら、随分買いかぶっているんだね。でもね、そうは行かないことぐらい合点承知の助さ。あたしの場合はゼロからの出発だからね。覚悟は出来てます」
登和 「そうですか・・」
京香 「(登和に)ゴメンよ。・・ハイ、伊崎です。・・・ああ、社長。・・・・今、地下です。・・・・ああ、女将さんも・・・・そうですね、早めに済ました方がいいみたい。・・・それじゃ今から上がります。・・・ハイ、それじゃ」
登和 「なんですか」
京香 「ああ、もう女将さんも社長も大家の所に来てるんだって」
登和 「ああ、そうですか」
京香 「だから時刻じゃないが契約を済ましてくるよ。あんたも来るかい」
登和 「いえ、あたしはみんなここに来ることになってるんでここで待ってます」
京香 「じゃ、行って来るよ」
登和 「いってらっしゃい」
無事に京香との対面を果たした登和は一安心。
泣き腫らした顔を直しに洗面所へ。
撮影鏡田伸幸
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