五木寛之というと私よりだいぶ年上で、今年で80歳になります。
現在でも「親鸞」を新聞に連載したり、随筆を出版したりで、精力的な活動をしています。
私の青春時代には、すでに直木賞を受賞しベストセラー作家として、活躍していました。
文章が柔らかく、わかりやすい内容ですが、「風に吹かれて」の題そのもの。
とりとめのない文章で、その時代の大衆作家としてのイメージだったのですが、
最近の彼の文章は、シャープで一点の曇りもなく、彼の人生の試行錯誤を開示しながら
読む人に「生きるということ」を、問うてきます。
五木寛之は、基本的に真面目な人なのですね。
若いときはアウトローにつき、歳とともに社会の弱者の側につきながら、物書きとして、精一杯の人生を歩んでいる。
その風貌といい、内容といい、日本の文学史に残る作家になってきました。
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