城と歴史歩きを楽しむ

専門的でも学術的でもなく、気楽に
山城中心に城巡りと歴史歩きを楽しみましょう!

信濃・壁田城 武田信玄の北部最前線の山城

2018-05-17 | 歴史
壁田城は善光寺平を制圧した武田信玄が千曲川沿いに築いた山城です。
千曲川を挟んだ対岸の替佐城と連携して上杉軍の侵入を阻止するための
堅固な山城でした。

ここでも、宮坂武男先生の縄張り図のお世話になり、城址直前まで車で
行けるということで、昨秋訪れた。

道を塞ぐ倒木
直前の台風による強風で大きな木が道を塞いでいて、ずいぶん手前で車を降りて
山道を延々と歩くことになった。


城道は歩きやすい
城址内の道は歩きやすいが、これは公園化に伴って造成された「遊歩道」で、城の遺構が
壊されている残念な姿だった。
以前は公園の子供用遊具が有ったそうだが、いまはそれも見当たらない。
公園化された城址は時々見かけるが、利用者もなく放置されて無残な
姿になっている場合が多い。
以前は、公園化によって補助金が出たので、多くの自治体が取り組んだようだが
今では、遺構の保存が優先するようになっている。


主郭の切岸 ずいぶん崩れている
主郭の切岸は、なだらかになっている。これでは簡単に登ることができて
防御の機能が果たせそうにない。
主郭には神社が造営されているので、これに伴う土砂が切岸を埋めたのかもしれない。
社寺による城址遺構の改変・破壊の事例も数多く見かけるが、社寺が有ったので開発を
免れた例も多い。 写真奥に公園化の時のトイレが残されている。

壁田城は、原形が少し失われてはいるものの、おおむね往時の姿を想像できる山城で
神社が有ることで、今後も現況は保たれるものと思った。