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美濃・岐阜城 新発見の石垣見学会 巨石に驚く

2018-12-05 | 歴史
2018/12/1は岐阜県岐阜市の岐阜城の新発見の石垣の見学会でした。
 岐阜城は北に長良川が流れる金華山の山麓に居館跡があり山頂部には模擬天守が建っています。織田信長が美濃を攻略して小牧山城から岐阜城に移りましたが、山上の館に家族と居住した説、麓の庭園のある館に居住した説があるようです。
 今回の新発見の石垣は山上と麓の中間の尾根を削平し、石垣を築いた遺構です。
現場は金華山の登山道を外れた、立ち入り禁止区域に有るため普段の立ち入りは制限されているので、場所を特定できる情報を流さないようにという注意がありました。


現地の地形と石垣の配置略図 当日資料より抜粋・加筆


削平地④ A の入隅が直角に積まれた石垣
L字形に積まれた石垣で、③の石垣につながっていたと思われますが、石垣の崩落でハッキリとは確認できませんでした。入隅の役割は、③の削平地の面積を確保するために張り出して③の石垣につなげたのではないかと想像しました。


②のBは、最大の大岩が石垣に積まれています。長辺が2.7mもあり、その大きさに驚きました。信長に次ぐ地位の人物の建物が有ったと思われるという説明がありました。大岩の周辺の石は転落したようで、付近の斜面には大石が転がっていました。


②の削平地を北側から見る
②の削平地は、ここでは一番広い面積があります。しかし小さな建物しか立たないように思いましたが、この面積は山上の削平地に匹敵すると聞き驚きました。巨石の石垣と相まって地位の高い人物の関連が推定されるということです。


石垣は西側のみに築かれている
石垣の石は、転落しているものも相当数有りました。人頭大の石で積むのが一般的だが、これほど多くの大石で石垣を積んだ例はあまりないとの説明でした。
 西側下には、山麓の館と城下町が広がっていたので、権威を示し見せつける効果を狙っていたのではないかということでした。

岐阜城の有る金華山には、まだ未確認の石垣が有るようですので、今後の発見に期待したいと思います。ただし、今回の場所もそうですが、大変急峻な山なので、発掘調査は危険度が高く困難なのではないかと思いました。

※金華山は全山チャートの岩山で、石垣の石もチャートでした。