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美濃・岐阜城 山上石垣 発掘調査 石垣隅角検出、鉄鏃発見!

2018-12-07 | 歴史
岐阜城は岐阜県岐阜市にあります。織田信長が小牧山城から美濃攻略後に移り、稲葉山城を岐阜城と改めたと伝わります。
 岐阜城の山麓の居館跡の発掘調査は永年続けられてきましたが、そろそろ一段落のようで、中腹や山上にも目が向けられてきました。これから、どんな発見が有るのか、期待大です。

今回は、山上の城道途中の発掘調査が行われて、現場が公開されました。


山上の一の門と二の門間の発掘で発見された隅角のわかる裏込め石が有る石垣
この場所には、以前から石の頭が出ていたそうで、今回周辺の発掘をすることで、石垣の石だったことが確認できました。裏込石の状況などから石垣はもう1段か2段積まれていたと考えれれるそうです。


石垣の隅角部が確認された
隅角部が発掘調査で確認出来たので、その位置が伊奈波神社所蔵絵図に描かれている石垣の位置と照合でき、位置の確定ができたと現地で説明がありました。
 絵図には他にも多数の石垣が描かれているので、今後の発見が楽しみです。


石垣の崩落と裏込石の散乱
調査区石垣の端では石垣が崩れ、裏込め石が散乱している様子が生々しく、崩れたままの状態を見ることが出来ました。


道を隔てた調査区では期待した石垣は出なかった
絵図によって、このあたりに石垣が有ったと思われる場所を掘りましたが、残念ながら石垣は出ませんでした。絵図はある程度デフォルメされているので、ピッタリとはいかないようです。
 そのかわりに、この発掘現場からは鉄の矢じりが発見されました。

麓の発掘小屋に展示されている鉄鏃(鉄のやじり)
発見された鉄の矢じりは山麓の発掘小屋に展示されていましたので見ることが出来ました。実施に使われていた時の想像図もありましたのでわかりやすかったです。案外重そうなので遠くへ飛ばすよりも、至近距離での殺傷能力が高そうに思いました。

岐阜城=信長のイメージが強く、信長の石垣、信長居館など、なんでも信長に結びつけてしまいがちですが、発掘調査が進むと、評価が変わることも多いので見るものすべてを信長に結び付けないほうが良いなと思いながらの見学でした。