食事をしながら、というか晩酌時には、字幕を目で追わなければならない映画やドラマは落ち着かない。
そこで今夕、流したのは、何度か観たことのある『深夜食堂』のバターライスという作品。
その内容に触れる気は、今はない。
というか、導入部が長くなり過ぎる嫌いがあるので、けふは避けようと。
要するに、そいつがトリガーとなって思い出した昔話を残しておこうという話です。
私が小学高学年か、中坊の頃だったと思いなせえ。
土居町から新居浜に転居してきたフリーの商売人の親父が最初に始めたのは、牛乳販売店でした。
それも、当時からあった大手、即ち全国レベルの明治や雪印ではなく、ローカルメーカーの河南牛乳。
そこが後に近隣のメーカーと合併して出来たのが、らくれん牛乳です。
そして、その頃の、というか、正直言うと、どっちの時代だったか判然としてないのですが、まあ、そんくらい前のことです。
親父が持って帰ってきたバターは、当時の我が家ではハイソな代物だったのです。
当然、食パンを焼いたのにナイフでかりかりと塗って食べるバタートーストは洒落た味でした。
でも、そこまでは当たり前。
或る日親父が、会社の人間が教えてくれたと言うのが、かのバターライスでした。
ぬくぬくのご飯に適当に切ったバターをのっけて、その上に醤油をちょっぽし垂らす。
後は、卵かけご飯の要領でわしわし食う。
それは、大袈裟に言えば、異文化に触れた瞬間でした。
昭和40年台に突入したばかりの、まだまだ日本が貧しさから脱却しつつある時代の、そして、親父が若くて元気だった頃の思い出ではあります。
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