宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

おもしろくて、ありがたい

2005-10-13 17:24:07 | 本のこと



図書館で文庫本を借りるのもなんだかなあ だが、
新刊のコーナーで目についたので借りた。

池波正太郎の本は「銀座日記」他、数冊持っているが
全てエッセイであって、肝心の時代小説の類は読んだ
ことがない。

この人の食や酒に対する見識が好きだ。

さて、この本はこれまでの彼の著作の中から、その
エッセンスを抜粋したものである。

見開きにこうある。

――――――――――――――――――――――――

人生の苦難に直面した男が求めるものは、
   酒と女にきまっている。
この二つは、それほど男にとって貴重なものなのだ。

――――――――――――――――――――――――

なかなかこうは言い切れないものだ。
多数の反論が目に浮かぶから(笑)

ただ、「男という生き物は」という考え方自体が
昨今アナクロニズムのように捉えられる傾向にある
からこそ、言い切る勇気は必要だとも思う。

この人の考え方の基本は「死」ではなかろうか。

常々私が反芻していることとあまりにも一致することが
様々に形を変えて、各作品で述べられている。

例えば、こうである。

――――――――――――――――――――――――

五十をすぎると、人生の[残り時間]も高が知れている。
「まだ、二十年もありますよ」
という人がいるけれども冗談じゃあない。
二十年なぞという歳月は、それこそ、
「あっ・・・・・」
という間にやって来て、過ぎ去ってしまう。

――――――――――――――――――――――――

私も全く同じことを考えて、逆算している。

ただ、こういう考え方は自分の死期を自分で決めている
ようなものなので、もっと大らかに、百歳まで生きる
気で過ごしたほうがいいのかとも思ったりもする。

要は結論が出ていないのだが、その結論が出るようなら
多分いつ死んでもいいんだとも思う・・・


おもしろくて、ありがたい

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2 コメント

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悪代官さんへ (チュー太郎)
2005-10-25 09:04:28
良い名前ですね(笑)

TBをしようと、いくつかのサイトにお邪魔して判りました。

エッセイの類ばかりではなく、彼の小説自体を読むべきだと。

「鬼平」あたりから始めてみますか・・・・

返信する
Unknown (悪代官)
2005-10-25 00:26:37
初めまして、TB有難うございます。

池波正太郎いいですねぇ~。
返信する

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