桜散る
○ それぞれの 宴の席に 桜降る ・・庄
良寛和尚の桜の俳句
○ 世の中は桜の花になりにけり
-- 季節が来て、至るところで桜が満開 ・・平明で明瞭 穏やかでいい句です。
○ 山は花酒や酒やの杉ばやし
-- ‘呑べい’良寛?。桜が咲いては‘呑み‘散っては’呑み‘・・
○ 同じくば花の下にて一とよ寝む
-- 良寛は、西行の生き様に憧れていたのでしょうか。
○ この宮や辛夷の花に散る桜
-- この宮を氷川神社と置き換えて・・、辛夷は、すでに数日前に散っています。
○ 散る桜残る桜も散る桜
-- 良寛辞世の句。神風特攻隊の愛唱だったことを知ると、かなり切ない・・
○ 苞にせむ吉野の里の花がたみ
-- 時同じくして、春の甲子園が終わった。球児たちは甲子園の土を、今も持ち帰っているのだろうか。
良寛の句いいですね! 良寛の句は俳句の本ではあまりみかけません。多分桜の句は初めてみたような?
○さまざまな事おもひ出す桜かな 芭蕉
○ゆさゆさと大枝ゆるゝ桜かな 村上鬼城
桜の句ではこの2句が好きです。特に村上鬼城(1865~1938)は好きな俳人のひとりです。
桜の残影 ・・花筏や花がたみ、桜吹雪、桜じゅうたんなど、
絵になりそうな言葉の似合う僅かな季節になっています。
桜の散るときは、いつも、強い風と冷たい雨がつきものなのは、なんとも皮肉です。
皮肉ついでに、強烈なやつを ・・・
○春三月 縊り残され 花に舞う
・・ 縊り・・くびり :通常、”縊り殺す”という熟語で使われる。絞め殺すの意味。
・・・この俳句は、俳句自体は意味不明で、不気味で駄作であろう。花は桜と思われる。
しかし、作者が‘大杉栄’と添えられると、俄然強烈な情感が読む人の襲いかかる。
その意味をかって考えることがあった。
これは、俳句であって、俳句でない。通常の俳句は、いいものは作者を必要としない。だが、この句は、作者・大杉栄を添えて、括って一つの作品なのではないだろうか。さらに、強烈な情感を感じる人は、大杉栄の生き様を知っているのだ。
・・・大杉栄は、かって甘粕という軍人に拷問の末なぶり殺された人である。それも恋人の伊藤野枝と共に。さらに大杉の甥も、七歳という年で惨殺されている。これが知れ渡ると、国内だけでなく世界中から非難の嵐が起こったという。
・・・この句が出来たのは、危険を予知できた捕縛の前の頃だったのだろう。
桜が散り舞う季節の裏側に、なんとも悲しい逸話の一つがあったのだ。
村上鬼城を出したので大杉栄とやらを紹介してくれたのかな?
村上鬼城という人も耳が聞こえない重い?俳人。
俳句というのは滑稽、戯れが原点ですからあまり重い句は敬遠されますよね。
ブログの中にある ○それぞれの宴の席に桜散る はいい句ですね!誰の句でしたっけ?
こちらは今桜満開です。(4月10日)