中学三年14歳の少年棋士四段が羽生三冠を破る
14歳、中学三年生になったばかりの将棋棋士四段の少年に知らない人がいない将棋界を代表する羽生3冠が丁寧にお辞儀をして敗戦を告げた。インターネットテレビamebaが主催した中学生棋士藤井聡太四段との七戦、最終戦は羽生三冠との対戦だった。
藤井聡太四段が羽生三冠に勝利したことがNHKニュースになった。テレビのワイドショウ番組が紹介していた。イギリスの詩人、バイロンは『ある朝目覚めてみると、僕は有名になっていた』と言った。天才という冠を被せられた有名人に藤井聡太少年は2017年4月、ある朝目覚めてみるとテレビが自分を讃えている番組を見たことだろう。まったく無名の少年が一躍日本の寵児になった。
将棋界は天才の集まりだと言われている。日本将棋連盟14代会長の米長邦雄は男四人兄弟の末っ子に生まれた。兄貴たち三人は皆、頭が悪かったから東京大学に進学したが、私は一番頭が良かったから将棋棋士になったとうそぶいた。確かに三段リーグを勝ち抜くために一年間、死に物狂いに頑張っても三段リーグを突破できず、将棋奨励会を退会し、勉強し東大准教授になった人がいる。
藤井聡太四段は類まれな将棋の神様から愛でられた少年なのであろう。好きな科目は数学だという。将棋と数学を同じようなものだとしたら数学者から怒られそうだけれども、経験を積むことなく急激に高みに上り詰めることが可能なものなのかもしれない。難問を解くという点では数学と将棋は共通しているように思う。その解答に対しては実に謙虚である。白黒が明確だからだ。ここには経験知としての年齢を必要としない。
羽生三冠46歳、彼は謙虚に自分の負けを受け入れ、丁寧に14歳の少年に頭を下げ、負けを告げた。この姿をネットでじっと私は見ていた。
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