食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

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夏バテを防いで足腰を強くする鰻

2013-07-23 | 気力・体力アップ
今日は一日遅れですが(^ ^;)「」の話題を。
今年は7/22が一の丑、8/3が二の丑です。昨日食べなかったという方は8/3にぜひ!

鰻は『万葉集』の時代から滋養強壮剤として知られ、胃腸の働きを活発にし、体力・気力を増して疲れを取る働きがあるとされています。

漢方では体を温め、血の巡りをよくし、足腰を強くし、疲労を回復するなどの効果があると考えられています。
夏に冷たいものを摂り過ぎて弱った胃腸を労わるのに最適。
体を温めることで血の巡りがよくなり、古い血が取り除かれるので、腰の痛み・神経痛・リウマチにもよいとされています。

とにかく栄養素が豊富です。
タンパク質はもちろんですが、特に多いビタミンAは、粘膜を強くして風邪や胃腸病を予防し、目の状態をよくしてくれます。
ビタミンB1は疲労回復、ビタミンB2が細胞の成長に関係し、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症を防ぎます。
ビタミンEは血行をよくし、高い抗酸化作用で血管の老化を防ぎます。
他にもカルシウム・鉄分と、これでもかというほど体に必要な栄養素が含まれています。

土用丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代に平賀源内が鰻屋のために「本日土用丑の日」というキャッチコピーを考えて店先に張り出し、「鰻を食べれば長寿、延命になる」と宣伝、大繁盛したことから始まったという説があります。

天然の鰻は本来産卵を控えた秋から初冬がもっとも美味しいそうですが、夏バテで体調を崩しやすい土用の丑に鰻を食べるのは、この栄養と効果を考えたら理にかなっていると思います。

ところでこの「土用」について。
丑の日の鰻のイメージが強いので土用といえば夏というのが定着していますが、1年に4回あります。
立春・立夏・立秋・立冬の前の18~19日間が「土用」にあたり、土の気が盛んになり土を動かすと障りがあるとされています。

土の気?動かすと障り?…なんじゃらほいって感じですよね(´・ω・`)
季節の変わり目で、体調を崩しやすいので慎重に
ぐらいのイメージで捉えていてくだされば十分です。
土の気の説明には「陰陽五行学」の理論について長~く語る必要があります。それはいつかまた別の機会に。

簡単おうち薬膳レシピ
鰻のまぜご飯とろろがけ
弱った胃の消化を助け、疲労を回復します。
稚魚の価格高騰でますます高価になってしまった鰻ですが、混ぜご飯にすれば少量で美味しくいただけます。

作り方
(1)温かいご飯に、白胡麻と、ありあわせの漬物を刻んで混ぜ器に盛る。
(2)おろした長芋にめんつゆを少し混ぜたものをかける。
(3)彩りにかいわれ菜かスプラウトを少しあしらい、お好みでわさびを添えて。

長芋も鰻と同じスタミナ食材。晩秋から冬が旬ですが年中手に入ります。
薬膳的には滋養強壮、疲労回復、消化を助ける、咳を止めるなどの効果があると考えられています。詳しくはまた改めて。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
甘、温/肝・脾・腎

効能
疲労回復、咳止め
足腰を強くする、腰痛を楽にする
血の巡りを良くする、神経痛・リウマチなどの痛みの改善