食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

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夏はにがうり(ゴーヤー)で心を癒す

2013-07-30 | 体の熱を冷ます
今日のテーマは苦いけどクセになる「にがうり(ゴーヤー)」です。漢方では苦い食べ物は心を癒すといわれています。

ここでいう心は大きくは2つの機能を持っています。全身に血を送り出すいわゆる心臓の機能と、考える・判断するといった意識や思考をつかさどる機能です。
漢方ではこの心の働きが夏に活発になるとされています。活発になり過ぎて変調を起こすと、のぼせたり、動悸がして顔色が悪くなったり、元気がない、眠れなくなるなどの症状が出ます。
これらを楽にしてくれるのが苦い食べ物、夏が旬のにがうりです。



苦み成分はモモデルシンといい、胃液の分泌を促して食欲を増進させるだけでなく、肝機能を高め、血糖値を下げるなどの効果も期待できます。
ビタミンCが豊富で加熱してもあまり減らないので、日焼け対策にもよいです。
筋肉の収縮を調整し、不足すると体の動きが悪くなるカリウムも多く含んでいます。
ほかにカルシウム、マグネシウムなども。夏バテにはうってつけの野菜です。
(同じ夏バテ防止食材の鰻と一緒に炒めたら、最強の組み合わせですね!)

薬膳の古い文献には、悪い熱を取り除き、疲れを癒し、視力を回復させるなどの効果があると書かれています。
売られているものではあまり見かけませんが、完熟するとオレンジ色になり、中から赤い果肉が現れるそうです。甘くて柿の味に似ていて、かつては水菓子代わりに食べられていたとか。
洗って乾かした種は、炒って食べると強壮効果があるんですって!
グリーンカーテンでにがうりを栽培されている方、試してみてはいかがでしょう。

体を冷やす夏の食材です。平均気温の高い地域では年中食べても大丈夫ですが、基本は夏だけにしておいた方がよさそうです。他の季節に食べると、冷えて体調を崩しやすくなったりします。
冷え体質の人は、夏でも体を温める唐辛子やねぎ・しょうがと一緒に炒めて少量を楽しんでください。

先日大きなにがうりが安く手に入ったので、暑さでボーっとしている家族のためにこんな一品を作ってみました。

簡単おうち薬膳レシピ
にがうりのカンタン白和え
熱くなった体を冷やして潤し、喉の渇きを癒します。


苦みが熱くほてった体と心を癒します。冷え体質の方はちょっとだけどうぞ。

作り方(2人分)
(1)豆腐半丁(200g)をペーパータオルに包んで電子レンジで1分半加熱する。冷めたら水けを絞り、粗くつぶす。
(2)にがうり(大きければ半分、中ぐらいなら1本)は種とワタを取ってスライスし、塩を小さじ1/2程度振ってもみ、サッと熱湯に通しザルにあげる。
(3)(1)にすりごま・めんつゆ・かつお節各大さじ2、お好みでしょうゆ少々を加え、すりこぎ棒などでだいたい滑らかになるまで混ぜる。(2)のにがうりを入れて和えたら出来上がり。


ほとんど火を使わない上に体を冷やす食材をたくさん使うので、涼しくなりたい時にぴったりです。
にがうりの苦み成分は水溶性なので、塩もみしてサッと熱湯に通すとある程度抜けます。苦みが苦手でなければ、塩もみしたにがうりを軽く洗うだけでもOKです。お湯を沸かす手間と熱さからも解放されますよ~(^ ^)
かつおのうまみが、にがうりの苦みを食べやすくしてくれます。
豆腐も体を冷やす食材で、余分な熱を取り除き、潤し、消化機能を整える働きがあります。
白胡麻は陰陽どちらにも偏らない平の食材です。乾燥を防いで便秘を改善する働きがあります。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、苦/心・脾・胃

効能
悪い熱を取り除く、口の中の渇きを癒す
肝機能を高める、眼精疲労の改善