食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

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漢方的お屠蘇考

2013-12-29 | 漢方・薬膳
年末になるとみりんのおまけに小さなお屠蘇(とそ)がついてくるのを、結構楽しみにしています(^ ^)

「屠蘇」とは、「蘇という悪鬼を屠(ほふ)る」とか「邪を屠り、体を蘇らせる」などの解釈があるそうで、数種類の生薬を合わせた「屠蘇散」をみりんや日本酒に浸して作ります。

平安時代に唐代中国から伝わり、宮中のお正月の儀式で飲むようになり、それがやがて庶民の間にも広まり、邪気を払い長寿健康を願う行事となりました。
入っているものは時代や地域によって異なるそうです。

今回手に入れた屠蘇散の原材料には
ミカンの皮、ケイヒ、サンショウ、クローブ、オケラ、ボウフウ、キキョウ
と書いてありました。
これらの漢方的な働きを、ひとつひとつ見ていきたいと思います☆

ミカンの皮=陳皮
の性質
気の巡りをよくして、消化機能を整える
臓腑を温め、余分な水分を乾燥させ、痰を切る

ケイヒ=桂皮
温より強力なの性質
体を中から温め、冷えから来る痛みを取り除く
胃腸を温め消化機能を高める
おなじみのシナモンです。

サンショウ=山椒
温より強力なの性質
体を中から温め、冷えから来る胃痛・腹痛・下痢を抑える、鎮痛効果

クローブ=丁香
の性質
胃を温め逆流した胃の気を正常に戻す
冷えを取り除き痛みを和らげる
腎を温め体を強壮にする

オケラ=白朮(びゃくじゅつ)
の性質
消化機能を整える
余分な水分を排出しむくみを取る
キク科の植物オケラの根茎を乾燥させた生薬です。
京都では、大みそかに八坂神社のかがり火を縄に受けて持ち帰り、浄化として元日の雑煮を煮る火種にするという習わしがあります。
この神前で焚かれるかがり火に、オケラが加えられています。

ボウフウ=防風
ちょっと温める微温の性質
かぜの初期症状(寒気・頭痛)を追い払う
湿気で悪化する関節痛や頭痛を抑える
セリ科の植物ボウフウの根を乾燥させた生薬です。

キキョウ=桔梗
の性質
喉の腫れや痛みを抑える、痰を切る
秋の七草キキョウの根を乾燥させた生薬です。

トータルでは、体を温めて胃腸の調子を整え、余分な水分を出し(利尿)、かぜを予防するといった感じです。
寒さや食べ過ぎ飲みすぎで体調を崩しやすいお正月の頃を、しっかりサポートしてるんですね!

正直美味しいとはいえないお屠蘇ですが、こんなパワーがあると思うと進んでいただきたくなります☆

うちでは元日の朝、水から煎じて飲みます。
本当はお酒に浸して飲みたいんですが、そのあと車で出かけるので我慢です(~ ~;)

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



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