カメラを片手に

大和文華館・特別展「住吉広行 ―江戸後期やまと絵の開拓者」へ

奈良の朝は雲一つない青空で、放射冷却で8.3℃と今シーズン最低となり、
よく冷えこんだが、暖房を我慢すれば、寒さに体は適応しだしてきたようだ。
だが連れ合いを駅まで送って行けば、車は吹き出し口からは温風がでてきた。
確実に季節は進んでいるようだ。
      14時、21.2℃、35%

NHKラジオ深夜便・今日の誕生日の花「アキノキリンソウ・秋麒麟草」
キク科の多年草で、山地や丘陵の日当たりのよい場所で8月以降、総状の
黄色い花を多数つけ、中心に筒状花、外側に舌状花をもつ。
花言葉は「安心」で小花の中の蜜をハチから保護するために、絹のような
綿毛がそれを包んでいるからか。 
      拝借画像

7月31日の白山登山道で見たのはそうかもしれない
      

この和名の由来は5月から咲く「キリンソウ」に花姿が似ていることからで、
よく似た花は「セイタカアワダチソウ」や「ソリダスター」などと。
      セイタカアワダチソウ

今朝は「大和文華館」特別展『住吉広行 ―江戸後期やまと絵の開拓者』展へ 
      

今回のスポットライトは「住吉広行(1755~1811)」、あまりなじみがなく、
住吉広行を中心に取りあげるはじめての展覧会になるという。
代表作や関連資料など37件展示で、東京国立博物館、徳川美術館、
斎宮歴史博物館、毛利美術館、東福寺、宮内庁三の丸尚蔵館、宮内庁書陵部、
徳島市徳島城博物館、敦賀市立博物館、佐野市立吉沢記念美術館、
東京芸術大学、香雪美術館、個人蔵14件からなる。
第1章 広行までの流れ 7点
    伊勢物語絵巻 四巻、徒然草画帖、源氏物語野分図
第2章 広行の画業  (1)摸本 3点
          年中行事絵巻摸本・鶏合・蹴鞠摸本
          (2)物語絵・歌絵・歌仙絵 9点
          源氏物語須磨巻絵巻
  毛利家藩主の妻のために描いた「栄花物語舞楽図」(毛利博物館蔵) 
          和歌三神図・・・・・、
          (3)賢聖障子 5点
      の作品を描く前に制作した試作段階の「賢聖障子」(個人蔵) 
          (4)走獣画・中国故事人物画 2点
           虎図・・・
          (5)行事絵・四季絵 4点
           舞楽図屏風、四季絵屏風
          (6)古画研究・考証 3点
           寺社宝物展覧目録、御屏風之記
第3章 広行からの流れ 4点
          鷹狩図、楠正成図、楠公千早籠城図・・

住吉家とは鎌倉時代の伝説的なやまと絵師である住吉法眼慶恩の跡が絶え、
江戸後期の後水尾院が惜しみ、子の後西天皇が土佐家に仕えていた「如慶」に
住吉家を再興を図らせ、二代具慶、三代広保、四代広守と幕府の絵師の御用を
務めている。
特に五代目「広行」は、将軍家斉のもとで老中首座・将軍補佐の松平定信に
重用され、様々な重要な文化事業に携わっている。
特に寛政度の内裏造営(江戸時代に5度も焼ける)では、最も格の高い紫宸殿
の「賢聖障子」の制作を、急逝した狩野家のトップの狩野典信に代わり広行が
行い、名実ともにやまと絵界の頂点に立つことになる。
現在も京都御所の事務所内に大事にこの「賢聖障子」は保存されている。
余りの見事さに大名などが欲しがり、作風そのままな屏風等が伝わり、今回
展示されている。

「広行」は有職故実や古画の知識を様々な絵画制作に活かし、復古的な画題を手掛けたり、古画の図様を積極的に取り入れたり、豊麗なやまと絵の彩色を
極めたている。
手鏡や服装なども平安時代に戻している。

18世紀後期から19世紀前期にかけて活躍する復古やまと絵派や江戸琳派の絵師たちにも類似した傾向が見られ、広行の画業は、江戸時代後期のやまと絵の新しい方向性を先導するものとして注目されます。
 本展は、。広行が如慶・具慶の伝統をどのように引き継ぎ、新しい時代の要請にどのように応え、やまと絵の地平をどのように切り拓いていったのか、その画業を明らかにします。 
    

やまと絵の江戸期後半の御用絵師二派あり、狩野派の上品さに対して
住吉派は緻密でおかしげ風な画風が新たな境地、認識を新たにしました。

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