ケロの与太

「全力で与太話」
読んだら忘れてください(” ̄▽ ̄)ゞ  

その日を前に

2023年07月18日 | ゆめゆめ笑うなゆく道だ(義母と施設と)



いつかは自分の命日になる日も巡って来る
じゃあ具体的に
何月の何日になるのか
寒い季節はやだなとか
夏休みの最終日とかも落ち着かないな
とか
義母の今際の際に
そんな事をよく考えました

たとえ
今日元気に生きていても
長患いの果の危篤状態でさえも
その予測は難しい
それは
ルーレットの中で
勢いよく転がる白い球が
突然、もしくはとうとう
コロンとどこかに収まる
そんなイメージ


願わくば
花の下にて春死なん
その如月の望月の頃

すでに950年前に
このベストシーズンを上げている人がいました
この歌を知った時
まだ黒電話しかなかったけど、
全力で「いいね!」をしたいと思った中学生のワタシ
( ̄ー ̄)
実際に西行は
桜咲く如月の満月の
1日遅れでこの世を去ったんだそう


五島美術館2022年ポスターから拝借


さて
4月の末に身罷った義母でしたが
2月の頭から毎週決まって日曜の夜
「どうする家康」が終わる頃
危篤の知らせがありました

今すぐ来る必要はないが
覚悟はしておいて欲しい
まだ会えてない人はすぐにでも会いに来たほうがいい

毎週日曜の夜の知らせに
翌朝5時半に出勤する夫は
疲弊していました

しかし、世が世なら
毎日家族が病室に詰めるか
見舞いに通っていたはずで
それが二ヶ月半も続いていたら義母が逝くのが先か、
こっちが疲れ果てるのが先か、
そんな膠着状態に悶絶したに違いなく
コロナ禍に与えてもらったこれはゆとりであり
医療機関の皆様の尽力、心尽くしには
やっぱり今も感謝しています


義母が施設を出た理由は
吐血と下血でした
施設と病院を出たり入ったりの緊急入院は
3回ほど繰り返したでしょうか
最初に血が混じった時は内蔵にカメラを入れて検査もしたけれど
度重なるようになると
つまるところ老化劣化による多臓器出血ということになったようで
(嫁の私には知らされない)
少し遠くはなるけれど
コストが同じ位の病院に移るように言われたのでした

葬儀の手配のバタバタの最中覗き見た死亡届には
いくつかの病名の筆頭に
重篤性逆流性食道炎
とありました
癌には侵されなかったけれど
内臓が損傷していった
そんな感じ?

最低限の栄養と水分のみの点滴を受けながら
脳は認知機能を失い
言葉も出せない
肉体の生命活動の停止まで
ひたすら横たわる年月
誰も来ない
何もできない何もわからない
ただ仰臥する
傍目からはすでに〈屍〉と変わらないその状態
それが一体どんな時間になるのか
想像が出来ませんでした

なんかすごい看護師長は
私の左後ろから義母を眺め
私の左耳に語りかけます

「近い将来必ず旅立たれます」
「あの点滴には
水分と必要最低限の栄養しか入ってません」

義母の体は
内側から焼き尽くされるかのように
皮膚が骨に張り付き
硬く小さくなっていきました

「ちょっと痩せちゃったかな」

左から聞こえる優しい声は
〈もうすぐですよ〉
と言っているかのように
私には聞こえました


今日はそんな話です


( ̄ー ̄)


🌸🌸




6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちるる)
2023-07-18 20:15:42
西行みたいに選べるといいけどもね。
自分が逝く時は、時節は選べなくてもいいから、痛いのも苦しいのも要らないな。
残る人たちの都合のよさげな時に逝ければいいけども。

人生の折り返しを回ったら、そんなことも考えるようになったよね・・・・

それがいつ来てもおかしくないって実感できるようになったからこそ、楽しいこと、やりたいことはできるうちにやっとこうと思うようにもなったし。負の感情に囚われてる時間はもったいないってより思うよううにもなったよ。
返信する
Unknown (があこ)
2023-07-19 22:20:43
今、まさに
義父さんが、それに近い状態で
この、連休は交代で待機しました。
そして持ち直しました。
なんか、わたしが境界線を彷徨っている気分になっています。
高須幹也さんが、世界で一番残酷な最後を迎えるのが、日本の高齢者
と断言していたことも、少しわかりました。
返信する
Unknown (ライチ!)
2023-07-20 08:51:29
実家の母は今、介護施設にお世話になっています。
コロナ禍の少し前から1度も会えておりません。
今は胃ろうなので、口からは食べ物を摂っておらず、話もできず、日がな一日、眠っている状態だと、聞いています。
父は時々許可を得て、母の所へ一泊するそうですが…ものも言わない反応もしない母に
それほどまでにも執着する父に、
私は少し引いています。
私は冷たい人間なんでしょうかね。
というか、次に母に会う時は、母が亡くなったときだと覚悟しております。
返信する
Unknown (ちるるに麦の返信)
2023-07-21 15:41:56
いやほんとにね
そうだよね
自分の亡き後を生きる人のために
迷惑にならないと良いな
と思うよね

終活を始めてる人もいるけども
何となくまだまだロマンチックに考えてて
こういう事に一歩踏み込めてない自分がいるわ


私の両親は
私の年齢くらいにはもう
二親見送ってるんだよね
この経験が有るのとないのでは
人生に対するスタンスみたいなの
随分違う気がするよ
返信する
Unknown (があこ様に麦の返信)
2023-07-21 15:51:10
コメント有難うございます
持ち直されたんですね
それで身体が楽になられるなら
喜ばしいですけど
お医者様ですら
本人がどんな気持ちでいるのか
わからないですもんね

高須氏の言葉は
本当にわかる気がします
わかる気はするんですけど
義母の場合
どこまで戻って
どこでどうすればよかったのか
なあと時々考えます
返信する
Unknown (ライチ!様に麦の返信)
2023-07-22 19:43:25
そうなんですね

義母が義母だったから私は私なんだろうな
となんども思うことがありました
実母だったら違ったことがたくさんあった
気がするのが後ろめたいです

でも
ライチ!さんは冷たいわけではなくて
親離れが完了しているんじゃないでしょうか
頼りになるお嬢さんがいて
旦那様もおられる
けれど
お父様には
死が分かつまで添い遂げると誓い合ったお母様だけ
素敵なご夫婦だと思います


ホスピスに入った私の友達は
海外から帰国していた娘を、亡くなる3週間前に帰してしまいました
別れは済ませたと言ってました
私は甘ちゃんなので、その割り切りにびっくりしましたけど
正しい親子の姿ってそんなものなんだろうなと思います

ライチ!さんのお母様も
ライチ!さんに関してはそれで良いと思っておられるのではないかと思いますし
お父様が泊まり込まれることを喜んでおられるのではないでしょうか

傍目にはすでに<屍>に見えても
耳は聞こえてる
と言うのは本当だと思いました
( ̄一 ̄)
返信する

コメントを投稿