四国・松山の名門高校福音学園高校に通う二人の青年清家一郎と鈴木俊哉の「友情と裏切り」の物語。27歳の若さで代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。総理への階段を駆け上がるカリスマ政治家。「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」最初のインタビューでそう感じた女性記者道上香苗は、隠された過去に迫る。清家一郎のブレーンは、ヒトラーの演説指南役で、ナチスの占星術師、ヒトラーを操っていたと言われるハヌッセンと同じ。ハヌッセン役は誰かと展開されていく。政治家・清家一郎は誰かに操られている?一郎という核に重なるマトリョーシカたち。彼の野望を叶えたのは自分だと自負する友人の鈴木、母親の浩子、恋人の三好美和子か・・・。人は意図して、人を操ることが出来るのか?人は変わらない、変えることが出来るのは 自分だけだ。ミステリードラマの様な小説でした。敵と味方を見誤り、マトリョーシカの奥の顔にまんまと騙された。鈴木に感情移入して読んだが他の誰かに感情移入して読んだら違った印象になったかもしれない面白い小説でした。
2021年11月文藝春秋社刊
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