読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

小杉健治著「声なき叫び」

2020-12-27 | か行
自転車で蛇行運転をしていた知的障害の青年が、警察官に呼び止められて捕まり、取り押さえられているときに死亡した。その一部始終を目撃していた広野ゆかりは翌朝の新聞を見て不審に思う。新聞記事が目撃した内容と違っていたからだ。警察官の暴行を目撃した複数の人間がいるにもかかわらず、県警はこの事実を隠ぺいし正当な職務だと主張するのだった。青年の父親は納得が行かず、事件に関心・疑問をもった毎朝タイムスの記者八田と目撃者を捜し、水木弁護士に依頼し事件現場にいた警察官数人を「特別公務員暴行陵虐致死容疑」で地検に告訴したのだが・・・警察官の犯罪を立証するのは至難の業、警察の隠蔽体質は陰湿で相当なもの目撃者へのなりふり構わずの脅し・隠蔽、妨害、身内意識の強い地検・裁判所、勤めている会社を辞めてまで奮闘する父親、弱者が理不尽な仕打ちを受け、巨大な権力と闘う緊迫の法廷シーン次の展開が気になり一気に読めました。結末意外な展開で驚きでした。「知的障害者に対する無知がこのような不幸を生み出した」(P281)この言葉が、心に響きました。
2017年6月双葉社刊

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