読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

羽田圭介著「御不浄バトル」

2012-08-05 | は行
若いサラリーマンが主人公の二篇が収録されている。表題作の中編、「御不浄バトル」は、教材販売会社の東京営業所が主な舞台。実はこの会社
高価で法外な値段の教材セットを訪問販売で売りつける悪徳企業なのだが、かたちばかりの学習指導をつけることでギリギリ摘発を免れている。主人公は、新卒で広告会社と勘違いしてこの会社に入社して一年半の"僕"こと渡辺丈史。毎朝駅ビルのトイレの個室でくつろぐことが楽しみな奴。素性不明なトイレの常連メンバー達と、静かな個室争奪戦を繰り広げる毎日なのだ。また会社のトイレにこもってひとりでパンを食べ、自慰に耽り、ケータイからネット上の掲示板に会社の悪口を投稿する。こんな会社早く辞めたいのは山々だが、自己都合で退職すれば、まともな再就職はむずかしい。だが、会社が法的処分を受けるか、会社から不当な扱いを受けたことを証明できれば、会社都合の退職になるとその証拠集めに奔走するのだが・・・
。御不浄の描写がリアル過ぎ、トイレで食事など考えられない私にはトイレ描写は不要に思うのだが・・・。
併録の短編「荒野のサクセス」は、そのトイレの洗面所でいつも顔を合わせるホスト風のチャラ男が主役の物語。


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