読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

重松 清著「サンタエクスプレス 季節風 冬」

2009-05-15 | 重松清
季節ごとに出版されてきた「季節風」シリーズの完結篇。
季節の記憶と1人ひとりの物語がゆたかに融けあった素敵な感動短篇集です。
出産のために離れて暮らす母親を慕う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた表題作 ・・・ 『サンタ・エクスプレス』
『あっつあつの、ほっくほく』高校2年生の時の焼き芋屋のオジサンとの思い出
『コーヒーもう一杯』親にも大家にも内緒で、2歳年上の彼女と同棲する19歳の大学生。洗濯機もないアパートに手回しのコーヒーミルを導入した彼女の好みはマンデリンだった。
『冬の散歩道』桜並木の公園にもなっている川沿いの遊歩道で、疲れ切ってベンチに座り込んでいる30すぎの男
『ネコはコタツで』年老いた父親が死んで、四十九日の法要が終ったあとから母親がめっきり老け込んだ。年末にはどっさり届いたはずの漬け物も今年は来ない。送ってきたお餅はいつもと違っていた。久しぶりに母親に会いに行った中年の男。 『火の用心』下町の町内会の「火の用心」の夜回り当番をつとめる二人の女子高生。
『その年の初雪』転校を三回している小学4年生のまたの転校
『一陽来復』短い文章の中に上手く描いた小品。コンビニで交差した4歳になるひとり娘と暮らす離婚したての女性など3組の節分の日の出来事。
『じゅんちゃんの北斗七星』大好きな友だちだった少年の記憶をたどる40代後半の男。
『バレンタイン・デビュー』息子のバレンタインデーをはらはらしながら見守る父親。
『サクラ、イツカ、サク』合格発表を見にきた受験生をカモにバンザイ攻撃で小金を巻き上げる大学2年生の一年前の思い出。
『ごまめ』ほか寒い季節を温かくしてくれる12の冬の物語。
2008年12月 文藝春秋 刊

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