「相反点プロペラ式は、たがいに逆方向に回転する2段のプロペラを用いて発電を行う方式。従来のプロペラ式発電では、1段のプロペラで内軸磁石を回転させ、外側コイルは固定されている。一方、相反転方式では、潮流を受けた前後2段のプロペラが外側コイルと内軸磁石を逆方向に回転させる。これによって、磁界を切る相対速度が増加するため、高い発電効率が期待できるとともに、同じ発電量の装置と比較して小型化が可能になるという。
さらに、起電圧が高くなるため、送電ロスや電力制御機器の容量が軽減できる利点もある他、発電機に発生する回転トルクが逆回転により相殺されるため、外部への反作用がなくなることで支持構造を簡素化することができ、設置費用の削減も期待できるとしている。 「相反転プロペラ式」の概要 出典:NEDO
2017年10月17~20日に、長崎県伊王島から沖に約2kmの地点で、実用化時に想定される実機の7分の1スケールモデルを利用した曳航試験が実施された。発電装置を台船の船尾から深さ3.5mの位置に設置し、タグボートで曳航することによって実海域の環境下での潮流を模擬した。その結果、前後2段プロペラの回転の安定性、イーグル工業が開発したメカニカルシールによる防水性能などを確認し、実海域における装置の安全性を確認できたという。
発電出力については、流速2m/sにおいて定格発電出力が1.38kWであるところ、試験時の流速1.3m/sの条件で、379Wの出力を確認できた。この発電出力は発電効率43.1%に相当し、設計した発電効率42%を上回る。これをプロペラ直径7mの実用化機に置き換えた場合、流速4m/sで、543.6kWの出力が期待できるという。」11/20付けスマートジャパン「潮流発電に2枚羽の新方式、想定を上回る発電効率43.1%を達成」より
周りを海に囲まれた日本では潮流発電を使わない手はありません。たがいに逆方向に回転する2段のプロペラを用いて発電を行う相反転プロペラ式潮流発電の試験で40%を超える発電効率が想定される結果が出たと言う記事です。発電した電力を陸地に送るためにはケーブルを繋ぐために固定設置になりそうですが、その場合の設備利用率はどの程度になるのか。昼夜を問わず発電できるのは風力と似ています。小型化できれば急流が多い日本の河川に設置しても使えるのではないでしょうか?
地熱発電以外の自然エネルギー発電ではそれほど高い設備利用率は望めませんがそれぞれの特徴を有効に連系して利用することになるのでしょうか?
11月20日の発電データ
発電量 9.0kWh (AiSEGデータ)
売電量 6.1kWh
自給率 90.9%
設備利用率 8.9%
日照時間 1.9h
日照時間当たり発電 4.74kW
連系以来 3021日(8年99日 )