「電気が抵抗なく流れる超電導の分野で最近、研究者が色めき立っている。超高圧という特殊な条件下だが、これまでのように極低温に冷やさなくても超電導になる物質が見つかったからだ。これに続いて長く夢見られてきた「室温超電導」を実現すれば、送電網や公共交通機関、大型医療機器などに大きな変革をもたらすと期待が膨らんでいる。
新たな超電導物質の突破口を開いたのはドイツの有名な研究機関、マックスプランク研究所だ。材料は硫化水素。通常は気体だが、150万気圧という超高圧にすると金属になり、セ氏零下70度で超電導になった。最初の報告は2015年にあり、世界の超電導研究者を驚かせた。東京大学の橘高俊一郎助教もその一人だ。「なかなか実現できない室温超電導がそう遠くない将来、可能になるかもしれないと再認識させられた成果だ」と解説する。(中略)
19年に入ってからも新しい成果が相次いでいる。米ジョージワシントン大学を中心とするグループがランタンと水素の化合物を200万気圧で金属にすると零下13度ほどで超電導になったと報告し、今のところこれが最も高い超電導温度となっている。(中略)
もし冷却が不要になれば、アフリカの砂漠地帯に太陽光発電を設置し、超電導の電線で日本など遠隔地に電気を送る夢のようなプロジェクトが実現できるかもしれない。このため材料研究者は冷却温度をできるだけ高く、可能ならば冷却不要で加工しやすい超電導物質を探索している。(中略)
躍進著しい人工知能(AI)を使って目標達成を目指す研究も出てきた。物質・材料研究機構の石河孝洋特別研究員は、水素と組み合わせるもう一つの元素は何が適しているのか、高圧の条件下でどの程度冷却すると超電導になるのかなどをAIを駆使して調べている。
高圧で超電導になる物質は60種類以上あると予測されているが、実際に合成して超電導を確認できたのは数件にとどまる。有望な組み合わせの一つに水素とイッテルビウムがあがっており、何度で超電導になるのか、どの研究機関がそれを突き止めるのかが関心の的になっている。石河特別研究員は「超電導になる3つの元素の組み合わせを提案できるようにしたい」と話し、世界で熱くなる超電導の新物質探索で独自の成果を目指している。」7/13 4:30付け日経電子版 コラム「夢の超電導、超高圧実験で再燃 冷却不要に迫る」より
「超電導」1ステップずつ実現に近づいているのでしょうか? 多数の組み合わせ実験をスピードアップしてくれるAI、新薬開発の世界同様にAIが役立つようです。
ここでも30年ほど前にCERNとともにスパコン関係で名前を聞いたことがあるマックスプランク研究所が出てきます。1911年設立以来ノーベル賞受賞者を多数輩出しながら先端技術分野を走り続けているのはすごい事です。
HIT(4.2kW)の発電データ
7月12日(金)雨
太陽光発電量 7.6kWh
エネファーム発電量(おまかせ) 5.6kWh
W発電量 13.2kWh
売電量 5.7kWh
買電量 1.9kWh
W発電自給率 140.4%
W発電設備利用率 11.2%
日照時間 0.0h
連系以来 3620日(9年333日)