【昔の手帳から】 １０月５日 （83年：新田先生@進々堂）

【１９８３年】（４囘生）

12:00 八幡前　タムラ君
新田先生の講義出席。　コーヒーとハムサンド。
ＨにTel。忙しさうだ。９日は逢へず。

水曜日。

叡電の八幡前驛は、私のアパートからの最寄驛。
そこでタムラ君と待ちあはせをしてゐる。
タムラ君は國文の同期（３囘生）なのだが、じつは２人ゐる。
みんな曰く「格好いいはうのタムラ君」と「さうでないはうのタムラ」君。
なので、この時の相手がどちらなのかは定かでない。
ただ、私が立上げた「近現代文學研究會」のメンバーだつたのは後者のタムラ君だつたし、比較的よく交流してゐたのも後者のタムラ君だつたので、たぶん後者のタムラ君だらう。
彼は翌年、「源氏物語」を卒論のテーマとし、大學に殘つて研究を續け、いまは某國立大學で教鞭をとつてゐる。

水曜１コマ目は新田博衞教授の美學。
前年も登録してゐたのだが、出席した記憶がない。
この年は５月１１日に開講し、 ５月１８日 には出席してゐる。
その後は手帳に記載がないので、出席してゐたのかどうかわからない。
５月１８日以來なのか、さうではないのか、いづれにせよ久しぶりの出席だつたことは確かだ。
少し遲れて教室に入つたら、學生３～４名と先生がこちらを見つめる。
見つめられてモジモジしてゐたら、先生が「ええと、きみはどなたでしたつけ？」
名前を名告つて席についたら、先生が仰つた。
「久しぶりのかたもゐるので、けふは進々堂で話しませうか」
進々堂 といふのは近くにあるパン屋兼喫茶店で、大きなテーブルがあるので、學生が勉強したりゼミで使はれてゐたりする。
ここでコーヒーとハムサンドを食べたらしい。
もちろん、先生の奢りだ。
先生のお話しされた内容はメモしてゐないくせに、食ひもんはメモしてゐる自分が好きだ。
確かここはクロワッサンが人氣商品だつたと記憶してゐるが、なぜハムサンドなのだらう。
クロワッサンのハムサンドだつたのかな？

Ｈに電話。
１日に三宮で「陽暉楼」を觀た歸り 、９日に逢へるといふことだつたのだが、逢へなくなつてしまつたらしい。
４囘生のこの時期、まして院試の準備をしてゐるＨにとつて、時間は貴重だといふことは理解してゐるつもり。