物書きひとすじ!時には寄り道、迷ったり、直進したりして、人生は面倒で悲しく楽しくて。

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軽挙妄動の思い出

2019-12-04 16:40:56 | 自伝風小説
勇太の失敗
 小学5年生のころ、休み時間に外へ出ると、人だかりがしていて大騒ぎであった。校庭の横の浅い池にザリガニの稚魚がたくさんいて、子どもたちが見つけたのだ。まだ、当時はザリガニをあまり見かけないので珍しかった。その後何年かすると異常繁殖で水田の苗が食いちぎられるやら畔に穴をあけるやらされて困ったのだが、戦後すぐは珍しかった。きっと日本ザリガニより大型のアメリカザリガニが繁殖したのだろう。
 騒いでいた子供たちの中で好奇心旺盛な子が4,5人池に入って捕まえ出したので勇太もつられて池に入ってザリガニの稚魚を捕まえたのだ。時間が来て教室に戻って昼休みの時間になった。
校内放送があって、「池に入った者は職員室に来なさい」と言うので正直に行ったら教務主任の日野先生が待ち構えていて廊下に並ばされて説教をされ、力いっぱいに往復ビンタをもらった。その痛いこと痛いこと。
「釜屋のおじさんが蓮田を手入れしたのに若芽を折ってしまったから怒鳴り込んで来た。先生は土下座して謝った。お前たちもそこへ正座して反省しなさい」と叱られて、休み時間いっぱい渡り廊下に正座させられた。その痛いこと痛いこと、反省をするどころではなかった。
 日野先生は、後に県教育委員会の幹部になり、長く出張所長を歴任され、退職後は南総町公民館長をされていて、私も数度講演に招かれたが、仕事熱心でとてもよい方であった。子どもの頃の軽挙妄動は、いくつになっても忘れないものだ。

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